青森県議会 > 1994-10-04 >
平成6年第199回定例会(第4号)  本文 開催日: 1994-10-04
平成6年第199回定例会(第4号) 名簿 開催日: 1994-10-04

  • "専門家"(/)
ツイート シェア
  1. 青森県議会 1994-10-04
    平成6年第199回定例会(第4号)  本文 開催日: 1994-10-04


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(佐藤 寿君) ただいまより会議を開きます。        ─────────────────────────────────            ◎ 一 般 質 問 継 続        ───────────────────────────────── 2 ◯議長(佐藤 寿君) 一般質問を継続いたします。九番下田敦子君の登壇を許可いたします。──下田君。  〔九番(下田敦子君)登壇〕 3 ◯九番(下田敦子君) 躍進21の下田敦子でございます。第百九十九回定例会に当たり、通告により質問をさせていただきますのでよろしくお願い申し上げます。  さて、三月議会終了を待って視察に出かけたデンマークのコペンハーゲン市議会は、乗りかえのわずかの時間を利用して一人で突然訪れたにもかかわらず、市議会職員も親切で温かい接遇でございました。百年余も前に建てられた市庁舎には、大勢の市民が集まって議論したであろうシティーホールがあり、選ばれた各職能代表と地区代表の市議会議員が本業を終えた夕方参集して夜に議会開会となるのでした。議員五十六人中三十八人もの女性議員がいて、すべての議員は無給だといいます。成熟した民主主義、あえて言えば、獲得した民主主義の上にある議会政治を目の当たりにしたような気がしたものです。サミットの参加国として認められた今日の日本、しかし、このごろの我が国の政治は日に日に衰弱し、唯一の立法機関である国会も一つの追認機関と思われるとの声も聞かれる最近であります。冷戦終結、五五年体制の崩壊と、明確な座標軸が提示できないでいる政党政治に西ドイツの元首相ヘルムート・シュミット氏が「日本は民主主義国家にはなりません」と断じられた言葉がこのところ妙に気になるものであります。本日の質問はこういう観点からお尋ねするものであります。  つきましては、質問の第一には、新ゴールドプランと県立看護大学設置についてであります。国はゴールドプランを見直し新ゴールドプランの基本理念を出されましたが、その中で高齢者保健医療福祉マンパワーの養成確保対策の推進の一つとして、看護婦、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、ホームヘルパーなどを挙げております。看護業務も高度化、複雑化してきており、従来の一般的な看護教育に加え、保健予防からリハビリテーションに至るまでより専門的知識を有し、高度・専門医療に対応し得る看護ケアが実践できる看護識者を、また、学生を指導教育できる教育者、研究者を養成すべきことは時代の要請であります。二〇〇〇年には十八歳人口が現在の二百五十万人から百五十万人まで落ち込み大学適齢人口が減少し、大学の冬の時代が来ると言われて、各大学ともサバイバル作戦に大わらわであります。例えば、早稲田大学はこの五月にホテル経営に乗り出し、慶応大学はビル管理業務会社を設立、青山学院大学は冠婚葬祭業や他の大学の学生食堂、また関西学院大学はゴルフ場、近畿大学はマグロの養殖業にまで展開しているという大学もございます。ちょうど十五年前に訪れたアメリカのコーネル大学の経営風景を思い出させるものであります。こういう状況下で、平成三年より大学設置に関する審査方針としては原則として抑制の時代に入りましたが、社会福祉や医療技術の分野では抑制の例外として取り扱われている現状であります。そこでお伺いいたしますが、第一に、現県立高等看護学院を大学に移行させ現有施設の有効活用を図るという設置方策の場合、看護学部一つだけの単科大学にするのか、その二として、大学の規模、内容、例えば入学定員、教職員数、校地、校舎、設備関係はどうなっているのか、また、設備経費及び経常経費の検討状況をお伺いいたします。三つ目に、大学の将来像について、例えば大学院の設置、海外との交流についてはどう考えておられるのか。四つ目として、設置経費の軽減及び教育研究上のメリットを考えた場合青森公立大学の学部増とする考えはないのか。五つ目として、かなり困難が予想される教員の確保について弘前大学医療技術短期大学部との連携をどのように考えておられるか。六つ目として、本県の看護職員の需給見通しは、平成十一年度にある程度のバランスをとると見られますが、看護職員以外の医療技術者が足りないことに対する県の計画はどうなっているのか。七つ目として、大学経営の専門家基本構想検討委員会の委員に加える考えはないか。以上のことについて県の御答弁をお願いするものであります。  質問の第二は、自治体病院の再編と高齢福祉対策についてお伺いいたします。本県は三十の自治体病院を有し全国一でありますが、これらの病院の昨年度の決算額を見れば、純損失四十四億三千四百万円、累積欠損金は三百十九億九千五百万円に達しており、一般会計から繰り出した金額は総額百五億五千八百万円に上り、各自治体の大きな負担となっています。公共事業の圧迫となり、小規模病院ほどその運営は深刻であります。昭和四十五年、県内自治体病院の再編に関する一つの試案として厚生省病院管理研究所所長の吉田幸雄氏より出されたいわゆる吉田試案は、現在ではいささか時代にそぐわないものとなり、必ずしも解決策にはなりません。かつて第百八十七回定例会において県立中央病院の経営状況をお尋ねいたしましたが、そのとき、県内に二十八県立病院を有している岩手県の岩手方式としてつとに有名な運営方法も、たび重なる実態にそぐわない診療報酬の改定に最近では同じ悩みを抱える状態にもあるようです。そこでお伺いいたしますが、国が自治体病院の救済策として三次にわたる経営健全化措置を実施し、県の補助制度も並行して始まりましたが、その状況はどうであるか、また、自治体の長で組織した緊急対策委員会では県に再編指導を希望している動きもあるやに聞いております。一部には、自治体病院がそれぞれの町に医療機関として設けられている時代はもう終わりつつあるという意見もあります。そこで、県は、国で出しているさまざまな高齢福祉対策と合体し、弾力的運用のもとに再編を市町村とともに検討する考えがないかをお伺いいたします。  第三の質問は、オフィスアルカディア構想と、福祉・医療研究開発についてであります。県は去る九月十六日に弘前地方拠点都市地域として指定され、懸案の拠点都市はいよいよスタート地点に立つことになりました。産業指数、消費指数、文化指数ともに総合指数の落ち込んでいる弘前市を初めとする津軽地域は、同指定により各種基盤整備や企業立地が進み、県南に比べおくれの目立つ津軽地域の底上げが進むものと期待されるところでございます。今後基本計画を策定するに当たって、産業集積に乏しい弘前拠点都市にどう個性的な基本理念を位置づけするかが注目されるところであり、津軽の将来をどうするかという地元のビジョンが何としても不可欠でありましょう。ところが、弘前市地元では大方において、オフィスアルカディア構想、いわゆる産業業務拠点都市構想といってもその概要をつかめない市民が多いことを感じるのでございます。先ごろ「流通業務市街地の整備に関する法律の一部を改正する法律」が可決成立し、地方の広域利便性の高い都市にまで流通業務が拡大されて地域経済の活性化が図られつつありますが、このようなトラック業界が中心になるような業務団地の形成でもなく、オフィスアルカディア構想においては理解に時間がかかるところであります。こういう状態にある弘前市において、この九月より、基本調査項目や有識者会議の人選など事前に準備に入っていることが一部で報道されているところでございます。そこでお伺いいたしますが、同指定に伴い、今後のタイムスケジュール及び集積拠点地区整備の基本方向に対しての県の考え方をお尋ねするものであります。また、事業化を進めるための事業主体を第三セクター設立でということも検討されているようですが、今日の経済状況下でその見通しに対し県はどのような見解を持っておられるのか、あわせて、高齢化を前にして、例えば車いす・ベッド・排せつ用品製造などから医療機器製造、製薬、医療・福祉関連の研究部門の集積を図るとともに、研究開発支援、学術支援、企業支援を推進するお考えはないか、あわせて、県当局でこのような部門への研究調査の数字をお持ち合わせであればお答えをいただきたいと存じます。  第四の質問は青森県高度情報化ビジョンについてであります。物中心の工業化社会から情報、知識を軸にした知的社会へ向け二十一世紀は大きく変化すると言われており、それに向けての産業基盤づくりは情報、通信を外しては考えられなくなってきております。しかし、我が国の情報化は、通産省の調査によればアメリカなどの先進国と比べてかなりおくれていて、シンガポールよりもおくれて世界で十七位となっており、しかも、情報化を先導すべき行政などの公的分野の著しいおくれが指摘されています。これは郵政省などによる規制がさらに手足を縛っていることにもこの一因があると思われます。規制緩和が進むベルギーでは、EUの中で許可をとればEUのどこでも放送局が設置できるようになったと聞いております。また、七月二十日にNTTのマルチメディア共同利用実験地域として都道府県の中では大分県が選ばれてハイパーネットワーク社会研究所を設置するなど、地域生活情報の技術開発を目指していると聞きます。テレビと新聞の機能を合体したようなマルチメディア新聞や病院間で交換できる病院間ディジタル通信網など、商業、工業のみならず、教育、福祉、個人の生活から、果てはバス停留所の待ち時間表示のように住民向けの情報提供まですべてマルチな情報化が進むと考えられます。極端な表現かもしれませんが、二十一世紀すべての生活分野での構築には欠かせない情報化マルチメディアのハード・ソフト面での準備は高齢化問題と同じくらいのスピードで急がなければならないと考えます。こういうことから、福島県では情報化進展に伴い個人情報保護条例をこの十月議会に上程するということでございます。本県の情報化に備える予算的、人的の思い入れのウエートは決して多くないように思います。サービス機関である行政の今最も重要となる情報化へのインフラ整備など至急を要するものも多くございます。二十一世紀まであと六年余りしかありません。そこでお伺いいたしますが、平成二年度に定められた青森県高度情報化ビジョンに基づいて以後今日までどのような進展があったのか、具体的な御説明をお願いいたします。あわせて、二十一世紀に向けての計画とそのタイムスケジュールをお伺いいたします。また、地域情報化振興のためのシステムエンジニア育成に産、学、官で取り組む第三セクター「ソフトアカデミーあおもり」の事業が低迷していると聞いておりますが、その要因は何であるか、そしてそれに対する打開策をどのように立てていくよう指導しておられるか、第三セクターの一員でもある県にお伺いいたします。  第五の質問は、県行政改革と地方分権及び地方消費税についてお伺いいたします。政治改革に続く日本のリストラ第二の幕あげは地方分権だという声が聞かれます。アメリカの小選挙区制にも見られるように、今の我が国の中央集権システムが変わらないまま進めば地方の政治に相当な発言力を持つ大名が誕生してしまう危険を感じます。小選挙区制とともに地方分権を急いで確立しないといけない時期にあると考えます。時事通信社のアンケートによると、知事、政令市長は一年のうち四十八日間も東京で仕事をしているそうでございます。中央官庁への陳情の様子は県議会しかりであり、あたかも江戸時代の参勤交代を思わせるアナクロニズムが霞が関にあるように思われます。みずから実施機関を持たない国は補助金で地方行政を特定の方向に誘導します。地方レベル予算は日本全体予算の四分の三に達して大量の行政事務が地方レベルで行われ、その七ないし八割は機関委任事務であります。政策の手続から見ると、最初の問題感知者である住民、そして納税者である住民と自治体がよりよい緊張関係の中で地方自治を進めるべきであります。そのためには補助金や地方交付税でない財源を持たなければ真の地方分権は成り立たないことであります。分権の受け皿として、自治体がいかにむだを省き、金、物、人を見直すかという行政リストラ、スリムで効率的な行政改革が必要であります。神奈川県では我が県とは逆で、法人税割合が高く景気の影響を受けたことから、昼休み時間は消灯し、財政緊急対策本部を設け、八人の行政システム改革班を組織したと伺っております。いわゆる行政Gメンによってリストラが図られているところでございます。埼玉県も、事務改善、組織検討の二委員会を発足させ、各審議会や外部団体の統廃合に本腰を入れているといいます。そして、土屋義彦知事は「厳しい経済環境の中で民間は命がけで取り組んでいる。県担当者はいい子になってはいけない。責任は私がとる」と言ったとか、また、千葉県は補助金四十八件カットを目指し、栃木県は一人一週間一時間超過勤務削減で年間六億五千万円を節約されたそうです。静岡県は、企業経営者や雑誌編集者ら十九人による「行財政のあり方懇談会」を設置したと聞いております。島根県では福祉事務所と保健所が機能統合し新施設になりました。また国の総理府も、政令に基づいた地方分権と両輪となるよう男女共同参画室をつくられまして時代に対応しております。さて、我が県は、台所感覚、企業経営感覚から言わせていただくと、時間コストも原価意識も違い、努力と収入がリンクしないお役所ではありますが、ところどころに少々むだが見られ、今後納税者の負担意識もますます鋭いものとなり、コスト公開も問われる時代が来るかもしれません。そこでお伺い申し上げます。全国知事会──地方六団体でも推進しておられる地方分権の状況とその受け皿としての県行政の改革を、例えば組織機構の中では自治研究所、公社の見直しなど、これまで一般質問で申し上げてまいりましたが、今後どう進められるのか、また、その財源とも思われる地方消費税、いわば地方独立税が実現したときの使い道を高齢化社会への対応と述べておられますが、その具体的構想内容についてお伺いするものであります。  第六の質問はリンゴ、米の輸入対策であります。去る八月十三日に農林水産省による「アメリカりんご輸入解禁問題に関する説明会」、及び九月五日に「りんご危機突破青森県生産者大会」が弘前市において開催されました。長いリンゴ生産者とのつき合いから、リンゴ生産百二十年間の今までにない危機感を抱きつつ重い気持ちにならざるを得ませんでした。会場から怒りとも絶望ともつかない面持ちで、リンゴも米も自給自足できているのになぜ輸入するのかという、単純にして全く思いの込もった質問がありました。国は、国際社会での孤立を避けなければならないといういつもどおりでの押し切る外交交渉、そして、リンゴ・米輸入の行程がよく見えないままに進められる行政に、消費者も農民もこれ以上不安と不信が募らないよう県からもより一層働きかけるべきであると思いました。そこでお伺いいたしますが、県農協農政対策委員会と県りんご協会は去る八月三十一日に、国際競争に打ちかつための園池の若返り対策──園地整備などを盛り込んだ産地強化対策費一千二百九十四億円を国に要求いたしましたが、県はこのことにどのように対応していくのか、また、百九十三回定例会においても要望いたしましたが、輸入リンゴ、輸入米への残留農薬基準設定が今日の輸入食品に対応できなくなっていることから県からも国へ働きかける考えはないか、あわせて、リンゴジュースの容器への食品質表示に原産地名表示を義務づけるよう国へ働きかける考えはないかお尋ねいたします。次に、平成米騒動のあの中で、輸入米の円高差益は冷災害を受けた農家のために使うという第百九十七回定例会での御答弁をいただきましたが、国は冷災害農家のどこにどのようにどれぐらい使われたのかもお尋ねをしたいと思います。  質問の第七として、三内丸山遺跡保存と国際的アピール、その施設設備についてお伺いいたします。以前に佐賀県吉野ケ里遺跡を視察したとき、観光客、見学者の多いのにも驚きましたが、これを支える、個人、企業による募金を呼びかける組織、いわゆるメセナ活動が盛んで、成果を上げていることにも感心いたしました。さて、我が国の政府は歴史的に文化行政に対する支出をほとんどしてきませんでした。平成五年度の文化庁予算は五百三十九億円、国家予算の中に占める割合は〇・〇七五%で、その多くが文化会館、文化ホールといった箱物の予算であることがわかります。しかもそのうちの七五%が文化財保護に回り、芸術文化振興費は百億円に満たない状況なのです。文化は国営と言われるフランスの文化関係予算が国家予算の一%を占めているのに、企業による見返りなき文化支援を行うメセナ活動がいろいろと誕生しているといいますから、国家の文化に対する意識、民度の違いを感ぜずにはいられません。本県の文化行・政の年間予算が県一般会計の中に占める割合は〇・五%であります。そこでお伺いいたしますが、国の予算も余り多くは期待できない中で、一つとして、遺跡保存のための予算措置をどうするのか、二つ目として、一部建設されている野球場の建造物をどうするのか、三つ目として、三内丸山を横切っている市道里見丸山線をどうするのか、四つ目として、サッカー場予定地も含め三内丸山遺跡をどうするのか、五つ目として、国際的アピールのための具体策をお持ちなのか、六つ目として、知事としてこれまでの海外出張で視察された博物館の中の主なものを挙げていただきたいのでございます。  最後の八の質問でございますが、原子力施設にかかわるPA対策と原子力開発利用計画についてでございます。たしかニーチェの言葉だったと思いますが、「偉大であるということは方向を与えることだ」という言葉があります。リーダーの使命は進むべき方向を明確に指し示すことだと思います。流れの速い変化の激しい時代に、十年一区切り、いや五年一スパンとも言えない昨今であります。六ヶ所村年表を前にして核燃料サイクル施設関連年表を見ますと、戦後、上弥栄開拓団の入植に始まり、東北開発三法制定、ビート栽培によるフジ製糖六戸工場建設、むつ製鉄株式会社、そして一九六五年に村としての原発誘致が始まったなど、決して豊かでない気候風土の中からこの村の歴史は何かを強く語りかけてきます。核燃推進・反対のそれぞれの立場から、それぞれの青森県の将来を案じ今なお議論を戦わすのであります。資源小国日本のエネルギー対策のかなめとして推進されてきた原子力開発でありましょうが、科学技術庁の研究予算の中で実に九三%を原子力研究にかけているこのインバランスに国民は持たざる国の悲哀を感じないわけにはいきません。そして、「高レベル貯蔵安全協定に対する最終処分地の立地場所については白紙で全国どこも同じ条件、青森だけを例外にできない」との科学技術庁長官の答弁に不誠実なものを感じるのは私だけでしょうか。福沢諭吉が「日本には政府ありて国民なし」と言われた官僚制度はいまだにそのままだと思います。一昨日三厩村に参りましたが、風力発電所のあのさわやかなことが非常に印象に残って帰ってまいりました。そこでお伺いいたしますが、五十年の貯蔵期間を短縮した担保を国からとれないのか、二つ目、高レベル放射性廃棄物の最終処分については白紙の状況であることから県民も不安を感じています。青森県が最終処分地にならない旨の国の確約についてのこれまでの経緯と今後の見通しについてお伺いいたします。三つ目、国際熱核融合実験炉──ITERや、高速増殖炉──FBRの誘致の情報がなされましたが、一般の県民からはその内容をほとんど理解できないという声を聞きます。また、ある程度理解している人は、FBRの一九六六年のアメリカのエンリコ・フェルミ一号、一九八四年のドイツのカルカーSNR3〇〇、一九八九年のフランスのフェニックス、一九八七年のイギリスのPFRの事故、トラブルの二ュースを前に不安を抱いているのです。情報を与えられないから事情を知らない、したがって錯覚や不安がひとり歩きします。県民によく見える政治を目指し、県議会のみにとどまらず県民を通して、一連の原子力計画を今後県民が必要とするものなのか否かを議論し、県民の意を十分に生かした県政の運営が日に日に重要となっています。県が国への重点要望事項として要望もしている原子力施設にかかわるPA対策を具体的にどのように考えておられるのかをお伺いいたします。  壇上からの質問は以上でございます。御清聴いただきましてありがとうございました。 4 ◯議長(佐藤 寿君) 知事。 5 ◯知事(北村正哉君) 下田敦子議員にお答えをいたします。  第一点は県立看護大学設置についての御質問でありました。高等看護学院を大学に移行させて現有施設の活用をすると言うが、看護学部ただ一つだけの単科大学にするのか、こういう御質問でありました。県立看護大学の設置につきましては、六月十六日でありましたが、県内有識者で構成する看護教育懇話会から県に対しまして、四年制の県立看護大学の設置が必要である、その設置に当たっては、現在の県立青森高等看護学院の校地、校舎等を有効に活用して同学院を大学に移行させることが合理的であり、また適切である、こういう御提言をいただいたところであります。県としましてはこの御提言の趣旨を踏まえて、その実現を図るべく、看護学関係の単科大学としてその設置に向けて具体的な取り組みに着手するということにいたして、その後の手続を進めてるところであります。その他、看護大学については何点かの御質問がありました。担当の方からお答えいたします。
     その次、私からは、看護大学でありますが、設置経費の軽減、教育研究上のメリットを考えた場合青森公立大学の学部増とする考えはないか、こういう御質問でございました。御承知のとおり公立大学は、青森市が中心となって東郡の町村との一致協力によって設立された大学でありますが、県立看護大学の方は、県民のニーズに的確に対応し、より適切な医療と良質な看護を提供するために、より高度な専門的知識と技術及び豊かな情操を兼ね備えた看護識者の育成が必要であり、看護教育の大学教育化が緊急の課題となっておりますことから、四年制の県立看護大学が必要であるという認識のもとに設置することといたしたものであります。この設置に当たりましては、現在の県立青森高等看護学院の校地、校舎等を有効に活用して大学に移行させる、そのことが合理的でもあり適切である、こういう懇話会の提言のとおりに考えてるところでありまして、これを公立大学の学部増に持っていくということは今は考えていないわけであります。考えるとしても大変むつかしいことではなかろうかと思っております。  看護大学の関係は今も申し上げたんでありますが、大学院の設置だとか弘大との関係だとか、看護職以外の需要に対応する考え方とか、専門職の委員をふやせとかいろいろございました。それぞれ担当からお答えいたします。  自治体病院の再編、経営健全化対策でありますが、当面は大変、市町村にとりましては──県にとりましても同じことでありますが、自治体病院──県立病院、市町村立病院いずれも同じことになりますが、大変に重い荷物でありまして、さればとてこれをゆるがせにすることはできない、大きな課題として我々の前に展開されているわけでありますが、この自治体病院対策については、総務部地方課の立場と環境保健部の両方からそれぞれ、当面している課題の現状──現状はもう十分おわかりでありますが、対応している対策について申し上げることにいたします。車は極めて重要であります。しかも緊迫してるという認識は持っております。  それからオフィスアルカディアにつきましての御質問でありますが、地方拠点都市でなければオフィスアルカディアは認められない、それが今回地方拠点都市に弘前市が黒石、五所川原を含んで指定を受けた──指定した、こういうことに伴ってオフィスアルカディアが考えられることになった。市の事業として進められるわけでありますが、それに対する県の指導のあり方等についてのお尋ねでございました。担当の商工労働部長からお答えをいたします。県内ただ一つのオフィスアルカディアになるわけでありますから、大事に誕生させ育てていきたい、こう思っているところであります。  それから高度情報化ビジョン、何年でしたか、数年前にこれをつくったんでありますが、お話、御指摘によればおくれてると、新しい分野でありますのでうっかりしてればおくれがちになるわけでありますが、その後の進展状況、特にソフトアカデミーの不振の原因は何か、こういった貝体的な御質問でありますので担当の方から具体的にお答えをさしていただきます。  それから地方分権の関係は私から申し上げます。国の方では、本年の二月十五日の閣議で平成六年中に地方分権大綱方針を策定することを決定したわけであります。五月には国の行政改革推進本部に地方分権部会を発足させ、現在地方分権大綱方針の策定に向けて作業を進めている、こういう現況であります。本県としましてはこれまで、北海道東北地方知事会議及び全国知事会──知事会議があるたびごとに地方分権を論じてきてるわけでありますが、この会議を通じて本県の要望、意見等を述べてきたところでありますが、全国知事会を初めとする地方六団体は、地方分権の推進に関する方策を検討するため共同で設置した地方分権推進委員会、この委員会の報告を受けて去る九月の二十六日に内閣及び国会に対して、地方分権委員会の設立などを内容とする「地方分権に関する意見書」を提出いたしました。それによって国の地方分権大綱方針に反映させるように求めたところであります。県では平成六年五月に総務部を中心に設置いたしました「地方分権に関する研究会」等において地方分権に関する調査研究を進めてきたところでありますが、地方分権を推進するためには、地方分権に関する基本的な法律等の制度改革に向けた取り組みのほか、自主的、自立的な行政主体の確立のため自己改革を踏まえた行政の活性化等についての取り組みも必要であると考えられますことから、今後は、全庁的な組織に移行すること等も含めて具体的な課題等について調査研究を進めてまいりたいと考えているところであります。以上が地方分権に対する基本的な取り組み状態であります。  次に、リンゴ、米の輸入対策についての御質問でありました。団体の方から国やら県に園地の若返り対策等を中心とした要望が出ているが、県はこれにどう対応するのか、こういうことであります。八月三十一日に、県農協農政対策委員会と青森県りんご協会が一緒になって農林水産省に対して、アメリカ産リンゴ輸入解禁に伴うリンゴ産地強化対策として、改植を中心とした総事業賢一千二百九十四億──非常に大きな金でありますが、一千二百九十四億円に上る事業の実施を要望したところであります。その際に農林水産省では、まあ私が行ったときにもそういう話が出たんでありますが、要望事項などリンゴ産地強化対策について県やらリンゴ関係団体などが活動を始めて、一緒になってこれを検討する場を設けることが必要だ、設けたい、そういう話っぶりでありました。また、これらリンゴ関係団体は九月十二日には、国に対して要望されたと同じような支援を県に対しましても要望してまいりました。これに対して私からは、リンゴ産業は本県経済にとって重要な産業でありますので、国、県、市町村、関係団体が一体になって取り組むのであれば県としてもできる限りの支援を惜しまない旨の回答をしますとともに、この要請を踏まえまして、翌日には東京へ出かけて、農林水産大臣ほか農林水産省の幹部に対して国の万全の対策の実施について要望したところであります。ここからが本論になるわけでありますが、具体的なその後の県としての対応やら、あるいはまた、その後に出てきたいろいろな動きについて農林部長から具体的なことを御報告申し上げることにいたします。  それから、三内丸山の遺跡保存と国際的なアピールというんでありますが、何点かの御質問の中で、担当者からお答えすることが適切であろうと思うものはそっちへ向けることにいたしまして、私に問いかけられたのは、これまでの海外出張で視察──見た博物館の主なものを挙げると、どうもはっきりした印象は──印象は幾つもあるんでありますが、ざっと申し上げてもたくさんあります。ロンドンの大英博物館、それから非常に強く印象にあるのはサンクトペテルブルク──前のレニングラードのエルミタージュ、これは美術博物館であります。あるいはエジプトのカイロの博物館──国立博物館であります。ギリシャのアテネ国立考古学博物館、その他、私はちょこちょこちょこちょこ、戦時中以来三十数カ国訪れているが、その中で主要な都市へ行けば、博物館がある場合には寄ってみることが多いというようなことで、全部を全部今ここで申し上げれないんでありますがいろいろなものを──今挙げたのが主なものでありますが、一昨年でしたか、ハバロフスクやらウラジオストクやら、こういったものの博物館ものぞいております。アメリカの博物館ものぞいたことがあります。御意図されるところがどういうことか、ほかの博物館を見てそれをまねして立派なものをつくれ、こういうなぞをかけられてるような感じがしないでもないんでありますが、著名な国立博物館に匹敵するようなものを考えるということはなかなか容易でないんでありますが、しかし、三内丸山遺跡という大変に貴重な、また大変に意味のある遺跡が出てきたわけでありますから、それに対応できるようなものであれば、いきなり来年、再来年というわけにはいきかねるかもしれませんが、将来の青森県としてはそういうものの陳列を主体とした博物館を考えていくべきではなかろうか。このことについては教育委員会の所管でありますが、私に答えさせればそんなところでございます。  それから、高レベル廃棄物が返還されるについて六ヶ所が最終処分地にならないように国の確約を求めると、何人かの議員の皆様にお答えしてきたとおりでありまして、県民の不安、懸念を払拭できるような国の対応を何とか求めたい、こういうことで目下、折衝と申し上げたらいいか、要請を続けている段階であります。  それから、ITER、FBR等についてはこの前も室長から申し上げたんでありますが、これは六ヶ所に、青森県に誘致しようとかなんとかという具体的な動きにはまだなってないわけで、内部的な検討はしてる。ただFBRについては、検討した暁でもこれにはうっかり手を出せないという感じは持っております。つまり誘致の考え方はない。ITERについては事と次第によってはという感じはありますけれども、やっぱり、いろんな角度から十分に検討を遂げてその上で判断すべきことであり、もちろん、県議会を初めとした県民の皆様にも相談をかけてというか、御理解をいただいた上でなければ事は動いてこないということになるし、そうすべく考えているところであります。  これとの関連で──ITER、FBRの関連でPA対策のお話があったんでありますが、県民にもっと事態、事情がわかるようにということでありましたが、ITER、FBRともに、県民どころか私にも、事務の方でごくごく最近、この議会の直前あたりまでは具体的に話は出てきてなかったわけで、そういうことからすれば、県民に対するPRなんかが全くできてないじゃないかというお受け取りをされるのもむべなるかなという感じがしますが、やっぱり、県としての結論を得て御相談をかける、御理解を求めるという段取りになる、これが普通だろうと思うわけであります。ただ、これはこれとして、PA・PR対策につきましてはいろんな点で努力を重ねてるし、国、事業者、県が分担し合いながらいろいろとやってる、その内容については──既に御承知のはずでありますが、室長からPAの内容を御報告することにいたします。 6 ◯議長(佐藤 寿君) 総務部長。 7 ◯総務部長(田口尚文君) 下田議員から、自治体病院の経営支援策、そして行政改革、地方消費税についてお尋ねがございました。  まず第一点の、自治体病院に対します国及び県の経営支援策の状況について答弁申し上げます。国におきましては、昭和四十九年度の公立病院特例債発行等によります財政支援を初めとして、昭和五十四年度から第二次、そして六十三年度から第三次の病院事業経営健全化措置が講じられまして、不良債務の計画的な解消を図るために、一般会計から病院事業会計への操出金に対しまして特別交付税等によります財政支援が行われてきたところでございます。その中で、昭和六十三年度からの第三次の健全化措置によりまして、本県におきましては、九団体が国の指定を受けまして平成五年度までに八団体が終了いたしております。そして、残り一団体が引き続き経営の健全化に向けて取り組んでいる状況にございます。一方県におきましては、こうした二次、三次の国の健全化措置に対応いたしまして、総額六億九千七百万円の県単独の補助を行いますとともに、県独自の要綱に基づきます指定団体に対しまして、財団法人青森県市町村振興協会を通じての短期の低利資金の貸し付けを、平成六年度におきましては六団体、七病院に総額二十四億円の貸し付けを行っているところでございます。自治体病院の経営の健全化は引き続き重要な課題でございます。関係部局、市町村とも十分連携を図りながら今後とも努力をいたしてまいりたいと思っております。  次に行政改革につきましてでございます。行政改革は、県政を運営していく上で不断の課題でございます。本県におきましても時代の変化に即応した活力ある県政を目指しまして行政改革の推進に積極的に取り組んでまいりました。具体的には、昭和六十年度からおおむね三カ年を推進期間とします青森県行政改革大綱を昭和六十年十月一日に策定いたしまして、職員を挙げまして県行政の各分野にわたります見直し、改善を行ってまいりました。さらに昭和六十三年度以降におきましても、この大綱の趣旨を踏まえまして毎年、事務事業、組織機構の見直し等の諸改革に取り組んでまいったところでございます。地方分権の推進は、議員御指摘のとおり今や時代の大きい流れでございまして、現在国におきましても地方分権の時代を展望した自治体行政の改革のあり方について検討されている状況でございます。本県におきましては、こうした国の動向も見きわめつつ、不断の課題でございます行政改革の問題について適切に対処してまいりたいと考えております。  次に、地方消費税の具体的構想についてというお尋ねがございました。過般決定されました政府の税制改革大綱におきまして、現行の消費譲与税にかえて、税率実質一%の地方独立税としての地方消費税を平成九年度から創設するとされたところでございます。これは、第一に、地方分権の推進が時代の潮流となっている今日、その受け皿となります地方団体の財政基盤の充実が必要であること、第二に、今後の地方団体の福祉、あるいは住民生活に身近な社会資本整備を進めるためには地方団体の安定した税財源の確保が必要である、こうした基本的な考え方に基づくものとされております。平成九年度以降におきましては、この地方消費税の創設と、恐らく、消費税の地方交付税への繰り入れ率の引き上げの措置によりまして、トータルとして、地方の減税分、そして福祉財源を確保することとなろうと思います。いずれにいたしましても、今回の税制改革大綱に地方消費税の創設が盛り込まれましたことは、地方税源の充実、ひいては地方分権の推進につながるものと考えられます。去る六月の定例県議会におきまして意見書を採択された本県を初め、地方関係団体が一体となって国に対し強く要望いたしてまいりました結果がこれに結びついたものというふうに存じます。今後は、国におきまして地方消費税の創設を含みます税制改革法案の審議が国会で行われることになろうと思いますが、その動向を見守りますとともに、今後ともひとつ地域の諸課題に積極的に対応し、これを着実に推進できるためにも地方六団体等とも十分連携を図りながら地方税源の充実確保に向けて引き続き努力をいたしてまいりたいと存じます。 8 ◯議長(佐藤 寿君) 企画部長。 9 ◯企画部長(成田正光君) 青森県高度情報化ビジョンに関する御質問にお答え申し上げます。青森県高度情報化ビジョンは、本県の特色を生かした高度情報化社会を県民の理解と協力のもとに実現するための指針として、県内の専門家、有識者の御協力を得まして平成三年三月に策定したものであります。このビジョンにおきまして、高度情報化推進のための基本目標として、一つは、だれもが活用できる高度情報ネットワークの形成、二つ目は、地域特性を生かした情報創造、三つ目は、既存産業の高度化と新たな産業の創出を掲げておりまして、これまでビジョンで掲げた重点プロジェクトを具体化するための方策といたしまして、平成四年度と五年度の二カ年にわたりまして青森県情報ネットワークシステム整備調査を実施しました。また、この調査と並行して、例えば農業技術情報ネットワーク、また青森県地場産業情報ネットワークの形成による産業支援、防災行政用無線ネットワークの形成によります県民生活の安全確保に努めてきたところであります。さらに、地域住民の生活向上を図る観点から、携帯電話、自動車電話などの移動無線、CATVなどを活用した情報サービスの充実も図られてきており、本県におきましても高度情報化への対応は着実に進展しているものと認識しております。議員御指摘のとおり、国の電気通信審議会の提言によりますと、二十一世紀は情報、知識を軸にした知的社会へ向け大きく変化すると言われております。本県におきましても、産業、教育、福祉、個人生活などあらゆる分野におきまして一層高度情報化の波が押し寄せてくるものと考えられますことから、より豊かな県民生活と活力のある県土づくりを進めるため、この高度情報化ビジョンに掲げた目標を順次達成していけるよう一層努力してまいりたいと存じております。 10 ◯議長(佐藤 寿君) 生活福祉部長。 11 ◯生活福祉部長(岡本一夫君) 輸入リンゴ加工ジュースの表示についてお答えいたします。リンゴジュースの品質表示については、「農林物資の規格化及び品質表示に関する法律」、いわゆるJAS法において製造年月日、保存方法、原産国の記載をするなどの品質基準を定め実施されてるところですが、輸入原材料を国内で加工した場合その原材料産地の表示については義務づけされていないものです。一方、最近の輸入食品等の増加により消費者の商品選択の利便性に対する関心が高まってきていることから、国──農林水産省ですが、国では、消費者代表、事業者代表、学識経験者等による食品表示問題懇談会を設置いたしまして、日付表示、不当な表示、原産国表示等について検討を重ねてきているところです。県としては今後とも会議などの機会をとらえて早期実現に向けて働きかけをしてまいりたいと考えております。 12 ◯議長(佐藤 寿君) 環境保健部長。 13 ◯環境保健部長(清木 直君) まず、県立看護大学の設置の五点についてお答えいたします。一点目は、大学の規模、内容、設備、及び経常経費の検討状況についてであります。県としましては、看護教育懇話会の提言を踏まえて大学の整備内容について検討を行うこととし、去る九月十六日に、県内外の有識者で構成する青森県立看護大学──これは仮称でありますが──基本構想検討委員会を設置したところであります。同委員会においては大学を設置するに当たって指針となる事項等について審議検討することにしており、主な内容としては、設立の趣旨、大学の内容、大学の特色、教育の理念、教育課程、教育研究体制、校地及び校舎等の施設、学外実習施設、入学制度などを想定しております。したがいまして、同委員会の検討を得た上で大学の内容が基本構想として示されることになることから、その内容を十分参考にしながら県としての考え方を決めていきたいと考えております。なお、教職員数、校地・校舎面積、経常経費等については大学の基本的な内容を決めてから積算することになります。  二点目は大学の将来像についてであります。大学の将来像については基本構想検討委員会において論議されることになるものと考えております。  三点目は弘前大学医療技術短期大学部との連携についてであります。看護大学における看護系教員については、これまで看護の大学及び大学院が少なかったことから全国的に有資格者が少なく、その確保は相当困難である、このように言われております。一方、弘前大学の教育学部は我が国における看護教員養成において歴史を持つ伝統校であり、これまで多数の看護婦資格を有する卒業生を輩出し、全国の看護大学等で教職についている者も少なくない、このように聞いております。県としましては、県立看護大学の実現に向けての教員確保についても、また大学の運営についても弘前大学及び医療技術短期大学部と連携を図ってまいりたいと考えております。  四点目は、看護職員以外の医療技術者が足りないことに対する県の計画であります。平成五年八月の県内病院の施設表調査によりますと、医療従事者のうち医師千四百七十六人、看護職員八千四百九十七人、薬剤師三百七十五人となっており、医療法上の標準数に対する充足率は、医師八九・四%、看護職員一六〇・一%、薬剤師五五・八%となっております。このほかの職種については、医療法上の標準数が示されていないため、職種別の医療従事者の過不足を把握するのは困難な状況にあります。なお、平成四年十月現在の国の調査した医療施設・病院報告によりますと、県内における医師、看護職員、薬剤師以外の職員の主なものは、診療放射線技師三百十一人、臨床検査技師五百二十七人、理学療法士百一人、作業療法士七十二人などとなっております。県としましては看護職員以外の医療技術者の需給計画は策定しておりませんが、今後、保健、医療、福祉の需要に対応した医療技術者の必要数の確保のため、各医療機関、養成施設等関係団体と連携を図りつつ、新ゴールドプランなど国の動向を踏まえて適切に対処してまいりたいと考えております。  五点目は、大学経営の専門家基本構想検討委員会の委員に加える考えはないかについてであります。基本構想検討委員会の委員については、保健医療及び教育関係者並びに学識経験者などから、県立看護大学の設置を検討するに当たって最もふさわしいと考えられる方々に就任をお願いしたところであります。委員の中には、大学運営の責任者として大学の経営に直接携わっておられる方、及び、看護学科設置にみずから携わってこられ、現在学科の責任者として私学経営の一翼を担っておられる方にも就任していただいておりますので、現在の委員で十分であると考えております。  次に、自治体病院の再編と高齢福祉対策についてお答えをいたします。本県には全国的に見ても多数の市町村立病院が配置されており、地域医療の確保にとって市町村立病院は重要な役割を果たしているもの、このように認識をいたしております。市町村立病院を取り巻く環境を見ますと、議員の御指摘がありましたとおり、また知事から申し上げましたとおり経営問題を初め種々の課題を抱えているところであり、県としては、県民に良質な医療を提供するため、医療施設間の機能連携はもとより、必要に応じて福祉分野との連携をも視野に入れながら、医療施設としての諸機能をいかに高めるかという視点での検討が重要と考えております。こうした県民のニーズに対応した医療機能の向上が結果的に市町村立病院の運営の安定にも寄与するものと考えます。市町村立病院の運営については第一義的には設置主体である市町村がみずから取り組むべきものでありますが、県としては、市町村立病院の重要性にかんがみ、現在、自治体病院開設者協議会に設置されている自治体病院緊急対策委員会において進められている検討状況に注目しており、その中で市町村立病院の今後のあり方等についての基本方向が示された段階で、関係部局と連携を図りつつ適切に対応してまいりたいと考えております。  最後は、リンゴ・米輸入対策のうち残留基準設定農薬の増加についてであります。厚生省では、残留農薬基準設定のため昭和六十年度から計画的に外国産の農産物中の農薬の残留実態について現地調査を実施してきたほか、輸入時における残留農薬調査を行っております。また、国内に流通している輸入及び国内産の農産物についても各県へ委託して残留農薬検査を実施しております。これらの調査に基づき、国内に流通している農産物を対象とした残留基準設定農薬数は年々増加しており、平成四年時点の二十六農薬に加え、五年度においては四十八農薬、六年度においては現在までに十五農薬が追加設定され、八十九農薬について残留基準が設定されております。さらに平成七年一月一日から新たに十四農薬について追加設定されることになっております。国においては現在も輸入品、国産品両農産物について残留農薬実態調査を実施しており、今後も順次農産物中に残留する農薬の基準設定を進めていくことにしております。以上のことから、県としては国の残留農薬対策が適切に進められているものと認識をいたしております。以上でございます。 14 ◯議長(佐藤 寿君) 商工労働部長。 15 ◯商工労働部長(扇田 實君) オフィスアルカディア構想関連三点、それから高度情報化関連一点のお尋ねにお答えします。第一点は、産業業務拠点地区整備の基本方向に対する県の考え方及び今後のスケジュールについてのお尋ねでありました。オフィスアルカディアの構想、これは弘前地方拠点都市地域の中心都市であります弘前市が主体となって取りまとめるものでございます。市では本年度、構想策定のための国及び県の補助による調査を行うこととしておりまして、現段階では策定の準備作業を進めており、その基本方向等はまだ決定していないというふうに聞いております。オフィスアルカディアの整備は弘前地方拠点都市地域の主要な事業であり、また、弘前市を中心とする津軽地方の活性化に大いに寄与するものと期待されることから、県としましても、弘前市の特色が生かされ企業の集積が見込まれるような構想となるよう適切な指導助言を行うことにしております。今後のスケジュールといたしましては、本年度に調査を実施した後は、オフィスアルカディア構想や他の拠点地区の整備事業を盛り込んだこの拠点都市地域としての基本計画を策定し、知事の承認を受けることになります。オフィスアルカディアの業務用地の造成事業等重要な事業の実施スケジュールでございますが、これにつきましては、当面事業主体として予定される地域振興整備公団に対して事業要請を行うことになりますが、具体的な時期等については基本計画承認後一年から二年程度を要すると見込まれております。県としても国及び地域振興整備公団に働きかけるなど事業の早期実現に向けて最大限の努力をしてまいる所存でございます。  次に、同じオフィスアルカディア関連ですが、事業主体の第三セクター設立の見通しに対する見解についてのお尋ねでございました。オフィスアルカディアの整備については、企業が立地する産業業務用地を整備するとともに、産業業務支援にかかわる中核的な施設を整備することが要件となっているものであります。この中核的施設の建設及び運営主体としては地方自治体または第三セクターによる法人が考えられますが、第三セクターを設立する場合には地域振興整備公団からの出資が受けられることになっております。弘前市のオフィスアルカディアについては官民共同による第三セクター方式で検討を進めている、こういうふうに聞いております。この場合、問題の民間企業の出資でございますが、長期の景気低迷の中でリストラ等を実施しており経営状況はかなり厳しい状況にあるものの、商工会議所等との連携を図りながら、オフィスアルカディア整備事業の内容を十分説明し理解と協力を得る必要があるものと考えております。  次に、同じオフィス関連で、高齢化社会の進む中で医療・福祉関連の研究開発支援等を推進する考えは,ないかというお尋ねでございます。弘前市のオフィスアルカディアについては、先ほども述べたとおり本年度中に構想の取りまとめを行うこととしており、現在策定の作業中であります。したがって、今のところどのような業種の集積を図るのか決まっていない状況にあります。弘前市としては、地域技術の高度化、学術文化都市という弘前の特性を生かした新たな産業の集積という方向で検討を加えることとしており、議員が述べられた医療・福祉関連の研究開発機能の集積という点についても検討課題であるというふうに考えておりますし、聞いてございます。県としては、弘前市におけるオフィスアルカディアは、企業の立地が十分見込め、かつ弘前市の特色ある構想となるよう指導助言を行うことにしております。なお、お尋ねの研究開発にかかわる調査データについては、県としては現段階では公表できるようなものをまだ整備しておりませんので御了承願いたいと存じます。  最後に、青森県情報化ビジョンに関連して、「ソフトアカデミーあおもり」の事業が低迷していると聞くが、その要因は何であるのか、これに対する打開策についてのお尋ねでございました。「株式会社ソフトアカデミーあおもり」は、平成三年四月に第三セクター方式で設立されまして、平成四年一月から三つの事業を行っております。一つは、システムエンジニアの養成のための人材育成事業、二つ目には、センターの設備を利用してソフトウェア開発ができる実践指導事業、三つ目には、ソフトウェアの開発、あっせんをする開発・あっせん事業、こういった事業がやられているわけでございます。これらの事業について平成五年度の利用状況を計画値との対比で見てみますと、開発・あっせん事業は二七四・九%、実践指導事業は八七・一%と一応の水準にはあるわけでございますが、人材育成事業については八・二%と議員の御指摘のとおり極めて低位な水準にとどまっております。これは全国的にも同様の傾向にありまして、通産省の特殊法人である情報処理振興事業協会の調査によりますと、全国の平均利用率は──この人材育成でございますが、八・四%ということで、やはり全国的に低位にあるわけでございます。しかし、このように人材育成事業が低くなっている要因について触れてみますと、一つには、長引く不況で民間産業の情報化投資が抑えられたため想定した研修需要が発生しなかったということ、二つ目には、経営環境が厳しい状況下では即戦力である従業員を長期間にわたって研修に出すことが困難であること、これらが最大の原因ではないかというふうに考えております。したがって、今後の利用向上の促進については、直面している景気低迷から本格的に脱却するという経済情勢の好転に期待するところがまずもって最も大きいわけでございますが、県としては、「ソフトアカデミーあおもり」においても、一つには、県内企業が派遣しやすい研修プログラムを検討していただく、二つ目には、センター及び人材育成事業についてのなお一層の周知・PR活動を強化していただく、三つ目には、企業が人材育成のために従業員を派遣する場合に国の助成制度がございますので、この助成制度を積極的に活用しての人材育成事業に取り組む、こういった利用向上対策を講じて所期の目的達成に向けて最大限努力するように県は指導しているところでございます。 16 ◯議長(佐藤 寿君) 農林部長。 17 ◯農林部長(荒木喜一郎君) 私からは米とリンゴの二点につきましてお答え申し上げます。まずリンゴの園地整備関連でございます。その後の対応について補足をさせていただきたいと存じます。まず、九月十二日と九月二十六日でございますが、二回にわたりまして、県と関係二団体との間で農林水産省に対する要望に関する打ち合わせを行ったところでございます。また九月の二十七日には、農林水産省の担当官、これは本省と農政局を含めてでございますが、と県及び県リンゴ関係二団体の幹部との間で会合をいたしまして、要望事業の推進について具体的に要望いたしますとともに、農林水産省の今後の方針等について意向を伺い、綿密に打ち合わせを行ったところでございます。その結果農林水産省では、県や関係団体からの要望事項でございますリンゴ産地強化対策に関する新たな事業の創設、既存事業の採択要件の緩和、予算枠の拡大などにつきまして前向きに取り組む方向で検討しているということが判明したところでございます。県といたしましては、リンゴ園地の若返り総合対策事業につきまして市町村、農協、生産者等が積極的に取り組みさらに機運が醸成されますよう、地域の合意形成、そして改植のための三年生苗木への取り組みにつきまして現在鋭意努力をいたしておるところでございますけれども、今後国の動向を見きわめながら、生産者等がリンゴ園地の若返り等の産地体制の整備に積極的に取り組むことができるよう必要な措置について検討してまいりたいと考えております。  次に米の問題でございます。輸入差益についての御質問でございますが、この売買差益につきましては昨年十二月に法律が制定されてございます。若干長うございますけれども、「農業共済再保険特別会計の農業勘定における平成五年度の再保険金の支払財源の不足に対処するための特別措置に関する法律」、こういう長い法律が昨年の十二月に制定されておるわけでございまして、この法律の内容といたしましては、平成六米穀年度、すなわち昨年の十一月から本年の十月まででございますが、この間に売却されました緊急輸入米の差益を全額農業共済再保険特別会計に繰り入れる、こういうこととされておるわけでございまして、平成五年度の水稲の冷災害によりまして被災農家に支払われました水稲共済金約四千四百億円の支払い財源に充当されるということになっておるわけでございます。また、予算的には、平成六年度の国の予算でございますけれども、二百二十九万トンの緊急輸入米の売買差益といたしまして二千百十七億円が食糧管理特別会計から農業共済再保険特別会計に繰り入れされるということになっておるわけでございます。なお、食糧庁からは、これら法律等に基づきまして緊急輸入米の売却に応じての繰り入れが順次行われ──昨年の大冷害に伴う共済金が昨年中に支払われたわけでございますけれども、その財源の不足に充当されているというふうに聞いておるところでございます。以上でございます。 18 ◯議長(佐藤 寿君) 土木部長。 19 ◯土木部長(佐藤尚純君) 三内丸山遺跡に関連いたしまして市道里見丸山線についてお答え申し上げます。都市計画道路里見丸山線は、青森市の西部と東北縦貫自動車道青森インターチェンジ及び国道七号青森環状道路を結ぶ路線であり、また総合運動公園のアクセス道路として青森市が整備を進めているもので、県としても重要な路線と認識しているところであります。市の考え方としては埋蔵文化財発掘調査を完了したところから順次工事を進めることとしておりますが、発掘調査の結果特に重要な遺構が出土した場合は、三内丸山遺跡の保存に関する基本方針が決まった時点で対応していくと聞いております。いずれにいたしましても、事業主体が市であることから、県としては市の方針を尊重してまいりたいと思っております。以上でございます。 20 ◯議長(佐藤 寿君) むつ小川原開発室長。 21 ◯むつ小川原開発室長(秋田谷恒夫君) お答えいたします。  まず返還高レベル放射性廃棄物の貯蔵期間の短縮についてでございます。高レベル放射性廃棄物ガラス固化体につきましては、再処理されます使用済み燃料の燃焼度等の違いによりましてその冷却のための管理期間に三十年ないし五十年という幅が設けられているもの、このように承知しているところでございますし、先般策定されました「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」におきましても、国の方針として三十年ないし五十年間程度冷却のための貯蔵を行い、その後地下の深い地層中に処分することとされているものでございます。したがって、県といたしましては、個々のガラス固化体が五十年以内に確実に六ヶ所管理施設から搬出されることが重要と考えておりまして、国及び関係方面に対しましてそのことが一層明確化されるよう求めているところでございます。  次に、原子燃料サイクル施設にかかわるPA対策についてでございます。原子燃料サイクル事業のPA対策につきましてはこれまでも、国、事業者との役割分担を図りながら、県としては、県民の不安、疑念を解消するようにできるだけ県民に密着したわかりやすいきめ細かなPA活動を粘り強く続けているところでございます。具体的には、一つには、市町村の一般住民を対象とした直接対話形式の原子燃料サイクル地域座談会の開催、また、農林漁業、あるいは女性、青年の諸団体のオピニオンリーダーを対象とした地域懇談会の開催や欧州におけるエネルギー・原子力調査の実施、また、これらの諸団体を対象とした茨城県東海村、そして六ヶ所村の原子力施設見学会を実施しております。また、原子燃料サイクル施設の安全性や地域振興等に関するテレビ、新聞、パンフレット等による広報などを実施しているほか、平成六年度からは新たに、原子燃料サイクル広報活動の企画立案の参考に資するため原子燃料サイクル女性モニター制度を実施しているところでございます。今後も引き続き、県民が知りたい事項や、不安、疑問に思っている点を的確に酌み取りながらPA活動の充実を図りまして原子燃料サイクル施設に対する県民の理解が深まるように努めてまいりたい、このように考えております。 22 ◯議長(佐藤 寿君) 教育長。 23 ◯教育長(佐々木 透君) 三内丸山問題についてお答えをいたします。これからの予算措置をどうするのかでありますけれども、遺跡をどのように保存、整備していくかにつきましては今後三内丸山遺跡問題検討委員会で検討されるところであり、この検討結果を踏まえて所要の措置を講ずることになります。なお、遺跡の学術的な解明等に係る発掘調査につきましては国庫補助を得ながら進めてまいりたいと考えております。  次に、一部建設されていた野球スタンドの取り扱いについては、遺跡の保存、整備との整合性を十分に踏まえる必要があることから、専門家の意見も十分に踏まえながら判断してまいりたいと考えております。  サッカー場予定地につきましては現在試掘調査を実施しているところであります。三内丸山遺跡をどうするかにつきましては、サッカー場の試掘調査結果を踏まえて三内丸山遺跡問題検討委員会で基本的な考え方を取りまとめていきたいと考えております。  国際的アピールのための考えの具体的案はと、現在のところ具体的案は持っておりませんけれども、三内丸山遺跡の重要性を国内外にアピールすることは必要なことだと考えております。適切な方法、取り組みを研究してまいりたいと思っております。 24 ◯議長(佐藤 寿君) 下田君。 25 ◯九番(下田敦子君) 大変長々と御丁寧な御答弁まことにありがとうございました。  そこで二、三御要望申し上げて終わらせていただきたいと思いますが、まず地方消費税のことなんでございますが、一部漏れ承るところによりますと、自治省内では、地方消費税は従来の消費譲与税と何ら変わらないのではないか、従来のシステムをそのまま導入するので税率も変わらないんじゃないかという話を聞く機会がありました。地方にはこの税率の決定権はないわけでございます。ですから、名目は地方の自主財源だけれども、このようなシステムだと地方分権にはなかなかつながりがたいのではないかと。以前知事に地方分権のことで質問させていただいたときに、御答弁の中で知事は、財源がまず準備できなければこれは一切できないことだと。まさしくそのとおりでございますので、これに備えて知事初め皆様の御尽力をお願い申し上げるところです。  それからもう一つなんですが、このオフィスアルカディアに限りませんけれども、高齢化社会を迎えて、まあシルバー産業という言葉には余りなじみませんが、家庭介護用品などを一つ挙げてみましても、例えば、ベッド関連用品とか、車いすの関連用品とか、床ずれの予防器具とか、歩行の補助器具とか、排せつの器具とか、などなどいっぱいあるわけでございます。まあ、知事、副知事は非常にお元気ですのでまだこういうことには考えが及ばないかもしれませんが、大変必要なことです。実は、これは高齢福祉課にもお尋ねをいたしましたが、いわゆるこういうニューサービスの実態調査、あるいはこういうことでの企業性、産業集積への対応を、値──数字としてお願いしたんですが、ちょっとなかったのでございます。また、きょうの商工政策課でもそういうお話ですので、約七十種類から八十種類ぐらいあるこれらのものに対する一つの企業化、こういうこともこれからニューサービスとして非常に考えていかなきゃならないんじゃないかと。あわせて、弘前に対する県の御指導を十分お願い申し上げるところでございます。  それから、前後しますが、三内丸山の博物館でございます。大変びっくりしました、三十五、六カ所もどらんになっておられると。なぜこの御質問を申し上げたかというと、各フォーラム、シンポジウムが盛んに開催されておりますが、その方々から、あるいはまた民間の中からも、博物館をつくって、それを核とするような発信基地にしてほしいという声が非常に多いということでお伺いしたわけですが、私もメトロポリタンとかルーブルとかいろいろ見させてもらいましたが、街の中のデパートを見るような感覚で見ておる。知事も何かごらんになったのではないかと思いますので、そういうこともまた生かしてお考えいただきたいと思います。  最後に看護大学のことなのですが、単科大にすると。今検討の時期なのでより以上具体的なものはないのかもしれませんが、それだけに逆に非常に大事な時期なのではないかと思います。実は単科大というのは非常に経営効率が悪いというのがごく普通に言われていることであります。それで、北海道札幌医大、これは総合的な医療、いわゆるコメディカルスタッフの養成をしております。それから平成十年にできる岩手県の県立看護大学、これは情報系、福祉系と一緒に三科でもって行う。それから宮城県の場合には平成九年に、何とこれは大変変わった取り合わせで、看護科と観光系の学科と取り合わせてやる。それから秋田県の場合は、これは看護学科とバイオ、それから理工と組み合わせて三科でもって経営をするということでございます。実は、看護大学は全国で五十四校、短大が七十四校ございますが、今抑制の期間に入りながらもなお医療、福祉ということですので全国的に大変ブームが起きております。それですが、北東北と南九州というのは、先ほど申し上げた十八歳人口の減の考え方からすれば極めて学生数の集まりがたい地域になるという見通しがございます。それで、将来的な経費の問題なんでございますが、先ほど公立大を学部増とした場合の経費軽減の話をお伺い申し上げましたのは、特に看護大学というのは少人数教育でございます。ですから規模が相対的に小さいのですが、経営が小さい割に過大投資になるおそれが非常に多いということです。それからまた人の問題ですが──教職員ですが、これは時間がありませんので数字だけ申し上げますが、大学にしますと六十一人──多くの看護大学の内容を見ますとざっと数えただけでも六十一人。これを、例えば公立大とジョイントした場合には、外国語、情報処理、教育教養、これらの十一人の教員は減ずることができます。それから、教職員もそうですけれども、事務職員、これが共有できます。それですから、そういうことを考えるとまた逆に公立大学は、医療経済や病院管理論から時代のニーズに非常に合った修学ができるということでございます。その他情報処理とか図書とか講堂、いろんなものが活用できます。現在、先ほど知事、それから部長の御答弁にありましたように、一市三町三村で広域の組合をつくっておられますけれども、これはと自治省の認可で組合に経営負担を行って参画することは制度上可能であると思います。そして、教育研修上からも、いわゆる設備経費上からも、そして経常費からも非常に意義の深いことだと思いますが、もう一つ心配なのは、現在一人の看護婦を養成するのに要する経費が三百万です。ところが、兵庫県立看護大学、これは平成五年にできましたが、これの学生の納付金は一人百五十万でございます。ですから、平成五年度の価格で四億八千万にしかなりません。ですから、兵庫県のこの看護大学の県の一般会計からの持ち出しが毎年約四億になってるという話でございます。現に青森公立大学も三億の一般会計からの持ち出しがございますので、こういうことを考えたときには、県のものだとか市のものだとか、そういう考え方をする時代ではないと私は考えます。そして、できれば県は、そういう意味では、コントロールタワーであって最大のサービス機関であればいいわけですから、リストラが行われている時代になおかつこういうふうに第二の県病をつくる必要は、まあないとは言いませんけれども、もう少し別な形でつくっていかれないものかなあと。  それから、念のために、これは大変分不相応ですが、放射線技師は七四%の不足でございます。青森県はこれほど原子燃料その他で開発をしてきてるのですから、全国的にとにかく足りないこの放射線技師、これこそ公共的なところでないとできないものだと私は思っております。  なお、胃がんとか、それから肺がんの平均の検査率が一二六%と伸びております。ですから、このことを考えた場合には、あえて、医師、看護婦のみ、あるいは薬剤師のみの時代はもう既に医療の世界では終わった。もっともっと必要なこれらのコメディカルスタッフを養成しないと高齢化社会には対応できないと私は心配します。時に視能訓練士、それから、まだ成っておりませんが言語治療士、先般岩手県を訪ねましたが、いわゆる言語治療士の職にある方々が非常に活躍をし仕事をしておられたのを目の当たりに見受けましたので、検討の時期であればあるほどに、こういう私立の側から、あるいは専門的な方からもっと御意見を承って方針を決める必要があるかと思います。以上です。どうもありがとうございました。 26 ◯議長(佐藤 寿君) 午さんのため暫時休憩いたします。 午後零時十一分休憩        ───────────────────────────────── 午後一時二十分再開 27 ◯副議長(清藤六郎君) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  一般質問を続行いたします。四番西谷洌君の登壇を許可いたします。──西谷君。  〔四番(西谷 洌君)登壇〕 28 ◯四番(西谷 洌君) 自由民主党の西谷洌です。通告に従いまして質問いたします。  最初に、文化振興基本構想の策定と機構改革についてであります。先般知事は来年二月の知事選挙に向けて県内八市を回り、街頭より県政報告を精力的に行いました。この街頭演説の素案とも言える原稿を私は自民党政調会の一員として事前に拝見いたしました。「二十一世紀への新たな地域社会づくり(新ビジョン)」であります。県政全般にわたる将来展望と主要な施策が盛りだくさんでありますが、その中に「青森文化の再評価と創造による心豊かな地域社会づくり」とあり、三内丸山遺跡の保存や県内の文化遺跡等をネットワークする「青森いにしえ文化ロード」の整備や総合芸術パーク建設等に触れ、最後の一行に「ソフト面での文化振興戦略(組織・人・基金づくり等)を総合的に進める」とありました。前回の一般質問で私も「ほくとう銀河プラン」を取り上げ、参考にしながら本県の未来の産業構造について述べ、最後に「二十一世紀の知識社会を展望し、総合芸術パーク構想を全県的に拡大し、縄文時代の亀ケ岡文化や三内丸山遺跡を初めとする県内各地の縄文遺跡をテーマとした縄文文化圏の創造と、さらに、全く新しい視点で芸術文化の拠点づくりを目指して文化産業や観光産業の集積を図るべきである」と提案したところであります。このたびの知事の提言しています新ビジョンの中に今までになく幅広く文化行政に取り組む姿勢が強く感じられ、文化的な事柄の大好きな私としては大変うれしく、大いに期待するものであります。この文化振興戦略とはいかなる戦略なのか、後ほど知事のお考えを聞きますが、これを見て私が日ごろ考え、機会あるごとに提言してまいりました、地域の資源、特性を生かした地域政策の展開の答えにつながるのではないかと考え、私見を述べさせていただき御所見をお伺いいたします。  去る九月十八日、秋の気配が漂う青天のもとに、十五年目を数えるカルチャーロードが弘前の中心商店街土手町の路上で繰り広げられ、ことしも多くの市民で埋め尽くされました。一九八〇年に弘前青年会議所の理事長に選ばれたとき、私は年間の活動テーマを文化にしました。一九八〇年代の幕あけのその年、マスコミも評論家も、八〇年代を展望し、不透明の時代とか不確実性の時代というキーワードを盛んに使っておりましたが、私は、ある講演で聞いたエントロピーの法則の中で例えて、社会が成長すれば民度が高くなり、社会が成熟すれば無秩序さが増大するという言葉が忘れられず、成熟社会を迎える八〇年代にすべての物事が無秩序になっていくとしたら、その時代に必要であり大切なことは文化をはぐくみ創造することだと考えました。この考えを具現化したイベントがカルチャーロードであります。ステージは劇場や催事場ではなく、日常的に一番身近で集まりやすい中心商店街の路上、出し物は、市民個人個人のライフスタイルそのものや、グループやサークルの活動の発表、多少排他的な風潮のある津軽気質の垣根を取り払い一堂に会して、生活の断面を共有し、交流し、共感する。ねらいは、地域に根差している生活様式の中にある有形無形の資源を文化という面でくくって経済活動の切り口にしてみたい。平たく言えば文化で稼げないかという大いなる試みであります。今十五年間の成果はと考えると、いろいろありますが、特筆できることは、カルチャーロードを通じていろんな人々が交流し、町づくりを考え、津軽の基幹産業であるリンゴを、単なる食物としてのリンゴから、リンゴの持つイメージ、歴史等から成るリンゴ文化としてとらえ、これを町づくりのコンセプトにしてアップルフェア事業が生まれ、カルチャーロードの参加団体が中心になりアップルフェア推進協議会という広域な組織ができたことであります。この組織は今、全国りんご追分コンクール、ことしは全国より約二百名が参加いたしました。リンゴの町フォーラム、リンゴ子供大使、リンゴを材料とした駅弁コンテスト、アップルパーティー、リンゴ料理フェスタ等々、いろいろなソフト、ハードの事業を展開し、地域振興のために頑張っております。これは文化の一つの側面を地域振興に結びつけようと試みている例と言えます。このように考えますと、何もリンゴばかりではなく、地域にはさまざまな資源のあることに気づきます。昨今文化という概念は、芸術文化のみならず地域に根差した生活様式がそのまま生活文化と言われ、また、歴史や伝統の中で受け継がれてきた行事や信仰、そして自然や景観まで一切を含めて何々文化と称するなど、文化というイメージで理解できる物事が多くなりました。それは、文化は、人と人とのかかわりの中から、人と自然や現象とのかかわりの中から限りなく創造されるからであります。これらの文化資源を、民間だけの努力で工夫し、活用し生産性を上げるまでには、その時間と費用を考えると並み大抵のことではありません。そこで、無尽蔵にある文化資源の中から素材を見つけ、調査研究し、地域振興の材料になるまで温め、提供するインキュベーターの機能を果たす役割が今行政に求められていると思います。私の意見は文化という意味を広義にとらえ過ぎて理解していただけないのではと危惧するものですが、本県の主要な政策の一つとして、三内丸山遺跡を初め県内の文化遺産の保存の方向や、総合芸術パークの位置づけ、その実現後の企画、運営の方向など、芸術文化の範疇はもちろん、私が期待する生活文化、地域文化を地域振興に結びつける新たな範疇を加えた本県の文化振興の基本構想を策定し、その方向づけと施策の展開を明確にすべきであると考えます。さらに、この執行のためには、教育庁文化課の所管とは別に新たなセクションとして企画部の中に文化資源振興対策室を設置すべきであると考えます。そこで、知事の提唱するソフト面での文化振興戦略とはいかなるものかお聞かせいただき、私の提案に対する御所見をお伺いいたします。  次に県民文化祭についてです。ここで言う芸術文化について再び私の私見を述べるつもりはありませんが、なぜ文化が重要かというと、人が生活を営む限り文化は生まれ、人が食物から栄養をとり生命を維持していると同じように人の心の糧であるのが文化であるから、限りなく創造し、そして育てなければなりません。心は無限の広がりを持った大食漢でありますから、質の高い文化を限りなく求めます。質の高い文化は、人間の知性や感性、品性を高めるからであります。現在四回目を迎えた県民文化祭が東青・下北地区で開催中です。九月十八日の総合フェスティバルでもって開会し、十二月十八日までのロングランです。文化の好きな私としてはこの県民文化祭に大いに期待していました。何を期待していたかというと、一つには、青森にいながらにして質の高い芸術文化を鑑賞できると思ったからです。もう一つは、県内の文化団体や文化活動をしているサークルのレベルが特段に向上する機会になるだろうと思ったからであります。私の期待は二つとも裏切られました。芸術文化の創造発展のためには大きなカルチャーショックが必要であります。そのショックの大きさは、文化の質の違いが大きいほど、あるいは質が似たようなものでも距離が遠ければ遠いほどそのぶつかり合いの中で効果が上がります。ですから、青森にいてふだん触れることのできないカルチャーショックの大きい芸術文化を目の当たりにして体感できる機会を県民に与えることが青森県の新しい文化の創造につながります。このような機会を与えることが県民文化祭の意図することでないとするならば、ぜひ別な企画で構いませんから御検討をいただきたいと思います。県民文化祭が県民の文化活動の単なる発表の場であるとしたならば、同じ地域内で同質のものを鑑賞し合って何が向上するのでしょうか。ましてや、同じ分野の発表会で他のグループの発表をじっくり鑑賞する時間も余裕もなく、さらに、関係者以外の観客がまばらな会場でステージに上がっても緊張感も意欲もわかないと思います。芸術文化の中に心の豊かさや生活の潤いを求めるつもりがサークル活動の仲よしクラブ的なお遊びであっては新しい文化の創造どころではありません。極端な言い方をしてしまいましたが、もし発表の場とするならば、県民文化祭に参加して発表できることが大いなる励みになり、技術の向上につながるような仕組みにするべきではないでしょうか。もっと競い合わせるために、例えば知事賞とかグランプリ賞とか、副賞を出すのも一つのやり方だと思います。それが観客の動員にもなると思います。以上述べまして次の点についてお伺いします。一つは、県民文化祭が県内三地区を一巡しましたが、どのような成果があったのか。二つ目は、二巡目の県民文化祭を開催するに当たって見直した点はあるか。三つ目は、今後県民文化祭を開催するに当たってどのような取り組みをするつもりか。そして最後に、文化というのは形として見えないから投資に対する成果が非常にわかりづらいわけで、行政としても財政措置がしづらい分野かもしれませんが、知事の文化行政に取り組む前向きな姿勢を評価し、今後いわゆる文化行政に対する予算の増額をぜひともお願いする次第であります。  次に教育行政についてですが、全く論理的でない私見を述べさせていただき質問いたします。戦後五十年の節目を来年迎えるに当たって、最近いろいろな論評が目につきます。ある社説の一部に「なるほど新しい憲法も新しい法律もできて日本の国も一応新しくなったようなものですが、しかし、それらの精神が日常の生活の中にしみ込むためには五十年も百年もかかかると思うんです」というのがありました。これは石坂洋次郎が「青い山脈」の中で言わせているせりふです。戦後五十年、日本の社会はいろんな変わり方をしていますが、私が一番気になっているのは子供の教育についてであります。何がどうのとはっきりしたことを指摘はできませんが、日本は一貫した歴史観に基づいて結果的に日本流の教育をしてきたのではないでしょうか。奈良・平安時代の最澄や空海の教え、孔子の論語や儒学の教え、江戸時代の朱子学の教えなどは、長い歴史の中で日本人の行動規範や価値観の尺度にならしめ、現在でも日常生活にしみ込んでいると思います。そして、明治維新後は、ヨーロッパの中でもどちらかというとドイツの教育学の影響を強く受け、大正デモクラシーの時代、昭和初期の国家主義体制下での荒廃した教育の時代もありましたが、いわゆる戦前までの教育には何か日本人のへそみたいなものがあったように思われます。戦後アメリカ式の教育が取り入れられ、五十年を経た今、論理的な裏づけがあるわけではなく全くの極論で教育関係者におしかりを受けるかもしれませんが、アメリカ流の教育は日本人に合わないのではないかと思われます。例えが的確でないかもしれませんが、私の疑問をある事例で申し上げると、ことし四月に国会で「児童の権利に関する条約」が批准されましたが、この条約の審議の過程で、アメリカは子供の自己決定権、自立の権利を、ドイツは子供の保護の権利を主張したそうです。ドイツの主張は「子供が個々の自由を行使する場合、それが親の指示、指導権限のもとで一定の限界を与えるべきである」、これに対してアメリカは「それは伝統的な家族形態を保持しようとする考えである」と異論を唱え、子供の自立の権利を譲らなかったそうです。そのアメリカは現在、国内における児童虐待の報告件数が年間二百四十万件にも及び家族の秩序は完全に解体しているのが実情であります。だからアメリカ流の教育が悪いと決めつけるわけではありませんが、深刻なアメリカ社会の病理的背景を思うと、その根本的な原因は、子供の教育、社会教育に問題があるとしか考えられません。アメリカとは違っても日本でも今社会的に病んでいる状況にあり、多くの教育関係者がその改善のために大変な努力をしていることは承知しております。ただ、今の日本の社会が、明治生まれの人間と大正・昭和生まれの人間が同居している中に、アメリカの民主主義と教育が入り込み五十年たった今でも何かしっくりしないと感じるのは、五十年という年月ではいまだにまま子扱いで、日本流にアレンジされて日常生活の中に徐々にしみわたるようになるには百年の年月がかかるということかもしれません。私の認識が間違っているかもしれませんが、それはそれとして、「百年の大計を考えるとき人を育てるのが一番大切なことだ」という格言があります。まさしくそのとおりでしょう。しかし、人づくりぐらいまた大変な事業はほかにないと思います。その人づくりで一番大事な時期は、「三つ子の魂百まで」と言うように、ゼロから三歳までという説もありますが、私は、人間にはその人の人格、性格の形成を決定づける原体験とも言うべきものが必ずあり、その時期は五歳から九歳ぐらいだと思います。先日黒石で漫画家の「はらたいら」さんの講演があったという記事が載っておりましたが、その中で「はら」さんは、人生の中での一番の天才というのは幼稚園児から小学校三年生まで、自由奔放な発想で物事を考えるからと言っています。そして、人は前頭葉で物事を考えるが、日本人はテレビの見過ぎでその能力が低下しているとも言っております。人づくりの大切な時期が小学校三年生までというヒントでもあるかと目にとまったわけですが、今回の一般質問で教育問題を取り上げ御答弁をいただきたいのは、この人づくりにとって極めて大切なことを小学校一年から二年生にかけて教えているという生活科についてであります。平成四年から実施されているこの生活科は、具体的な活動や体験を通して自分と身近な社会や自然とのかかわりに関心を持ち、自分自身や自分の生活について考えるとともに、その過程において生活上必要な習慣や技能を身につけさせ、自立への基礎を養うことを目標にしております。青年会議所時代に、イギリスにOBS──アウト・オブ・バーンズ・スクールという生命力のたくましい子供を育てる学校があると聞き、その手法をまねて小学生を対象に、小麦粉と少量の食料を持たせ三日間山の中に放置するというサバイバルキャンプという事業をやったことを思い出しますが、今の子供たちの生活の中では間接体験が余りに多過ぎ、直接体験から身につける機会が少な過ぎる傾向にあります。こういう時代に、二年間にわたって具体的体験を通じて、生きていく上で、生活していく上で最も大切な基本的なことを身につけることこそ人づくりの第一歩であります。この生活科の成果がどのように見えてくるのか大変楽しみであり期待しております。そこで、小学校生活科の実施状況と、教える先生の指導力向上のための取り組みについてお伺いいたします。  次は学校不適応への対応についてであります。昨年の決算特別委員会におきまして、登校拒否児童生徒に対応した「こころの教育相談センター」の実情についてお伺いし、承知しているところでございますが、その後もいじめの問題は関係者の熱心な取り組みにより落ちつきを見せているものの、校内暴力はやや増加傾向にあり、全体としては登校拒否児童生徒の数は増加、高等学校の中途退学者もまだ数多くあり、学校不適応の問題はますます社会問題化していると思われます。これに対して文部省は、指導担当教員の研修の実施や生徒指導担当教員の配置の充実などを進めているようです。私は学校薬剤師として小学校一校と中学校一校を担当しております。時々保健室を訪問し養護教諭の先生とお話ししますが、とにかく保健室に来る生徒の数の多いのに驚きます。休み時間はともかく、授業時間に保健室に逃げ込んでくる生徒もです。日本学校保健会の調査では、いわゆる保健室登校を受け入れている学校は、小学校で七%、中学校で二三%もあるそうです。養護教諭は本来学校保健管理の専門職で、広範な日常業務を担っているわけで、昔は、保健室にいる養護の先生は赤チン先生と呼ばれ、子供たちのけがの手当てや熱の出た子供への対応ぐらいであったそうですが、今はそれに加えて心の病の子供の相談にも乗らなければならず大変だということです。保健室登校という言葉があることでわかるように、これは全国的な傾向なのでしょう。それなのに、私の担当している小学校は児童数二百名弱で養護教諭は一名、中学校は生徒数千名強でも、これも養護教諭は一名の配置です。学校には登校拒否の児童生徒に対応する専門の生徒指導の先生がいるわけですし、「こころの教育相談センター」もあるわけですが、現実に現場で対応できる身近な相談相手として養護教諭の役割を見直し、心の病の初期的カウンセリングの技術を習得させ、登校拒否予備軍とも言える保健室登校者に対応させることを考え、児童生徒四百人ないし五百人当たりに一人の割合で複数配置させたらいかがなものでしょうか。弘前市では、学校保健上の精神保健、性教育、スポーツ障害予防の三分野に専門医や有識者を委嘱する学校保健相談員制度を実施していますが、余り活用されていないようです。やはり現場で即対応できるか否かがポイントだと思います。そこで学校不適応への取り組みと養護教諭の大規模校への複数配置についてお伺いします。  次に私立専修・各種学校への助成についてでありますが、生涯学習化社会を迎えた今日、本県においても五次長計の中で主要施策の体系を定め、特に社会教育においては全国に先駆けて総合社会教育センターを設置し、県民の生涯学習を促進、援助するために、県内の社会教育施設や行政機関とを結ぶ学習情報ネットワークのキーステーションとして活発に稼働しているところであります。県民が生涯にわたってさまざまな学習の機会を得られるように配慮することはもちろんでありますが、その中でも、急速な社会の変化に対応できず、あるいは社会に出てから新たな職業を求めてその技術の習得を必要とするなどの社会人、企業人がリカレント教育を受ける職業教育サービス機関として重要な役割を担っている私立専修・各種学校の振興を図ることは就労機会の拡大にもつながり、さらに人口定住にもつながります。私学助成の中でもこの専修・各種学校への助成が少ないように思われますが、県内の専修・各種学校の魅力と特色を発揮できるように補助金を増額すべきと思いますが、御所見をお伺いします。  最後に人づくりについて。このたび就任したばかりの河村忠夫教育委員長にお伺いするものであります。今回私は自分が青年会議所時代に行った事業の一部を話しましたが、河村教育委員長も長年にわたって青年会議所運動に取り組み、中でも、大分県の平松知事がこれをヒントにして一村一品運動を始めたと言われ、全国的にも有名になったラブ八戸運動の指導者として活躍され、全国各地から講演を頼まれ、その内容は聞く人に大きな感動を与えました。後に全国七万人のJCのトップリーダーとして日本青年会議所の会頭に就任され、地方から日本をつくり変えるという大胆なテーマを掲げ全国を駆け回った方であります。町づくり、人づくりに大変造詣が深い河村教育委員長に、本県の教育行政を指導する立場でその抱負の一端を、特に義務教育における人づくりについて御所見をお伺いいたします。  以上をもちまして一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 29 ◯副議長(清藤六郎君) 知事。 30 ◯知事(北村正哉君) 西谷議員にお答えいたします。  文化振興の基本構想を策定すべきだと思うがどうか、こういうお尋ねでございました。大変大きなテーマであり、また大事なテーマでもあろうかと思います。最近の余暇時間の拡大や心の豊かさを求める志向の中で県民の文化に対する関心が高まりつつあるということは認識してるつもりであります。このために今後は、青森文化の再評価と新たな創造による心の豊かな地域社会づくりを進めていくことが大変大事なことだと考えております。当面、総合芸術パーク構想や三内丸山遺跡の保存、活用の方策等を初めとして、本県独自の個性ある文化づくりのための施策も鋭意進めているところでありますが、県内には、議員お話しの、リンゴを素材とした生活文化を資源として地域の活性化を図る企画や、生活環境に潤いや美観等の文化的な視点を求める企画、さらには産業面においても、デザインであるとか芸術性等の文化的な感性が求められるようになってきたなど、まさに文化的な領域がますます広がりを見せているこのごろであります。それに応じてそれに対応できる行政が必要になってきてる、こう考えております。かつて文化行政という言葉がしきりに用いられたんでありますが、その後はなかなか、その言い方も少し後退してきてるようにも思われるわけであります。それではいけないのであって、今後は、文化を、芸術文化、文化財の保護という領域にとどまることなく、生活、産業、行政等幅広い視野、関連づけからとらえて、今後の地域づくりとして文化を支える人づくり、組織づくり等のソフト面での文化振興戦略を含めた文化振興の基本的な方向を検討することが必要である、こういうふうに、まあ西谷議員がおっしゃる線の考え方は持ってるわけであります。ここで、私の尊敬する先輩でありますが、しばしば指導を受けた先輩が次のようなことを言ったことを思い出すんであります。文化については、ハード面の施設を整備するということが行政が受け持つべき分野であって、ソフトの中身──文化の中身へ立ち入って行政がとやこう言うことは結構じゃない、余り関与しない方がいいんだ、こういう言い方があったわけであります。私は誤解はしたくないんでありますが、さてなあ、これをどう解釈すればいいか、誤解はしたくないし、ソフト面の内容に入ることは望ましくないと言うし、どう考えればいいんだと、とつおいつ考えた経過がございます。今でも多少そのことが頭に残ってるんでありますが、しかし、この世の中になってみれば、西谷議員のおっしゃるような総合的な対応の仕方というものはいやでも応でも必要になってくるのではないか、してみれば、ソフト面に余り立ち入るなというこの言い方については、みだりに立ち入るなという受けとめ方でいいのかなあと思ってみたり、あるいは、芸術文化という分野については余り立ち入るなと受けとめればいいのか、今もってこのとおりとつおいつその点にひっかかりを感じている私でございます。それは間違っている、こうなんだよと西谷議員から御指摘をいただければ大変ありがたいと思っております。まあ横道へそれたんでありますが、文化振興を基本的に考え、また総合的な対応をしていくということの必要性を絶対否定してるわけではありません。それを認めながらつい今のような、私の迷いが多少過去においてあったし今もそれが残ってる、残ってるが、しかしもう残さなくてもいいと思います。芸術文化に限定してなんという考え方でなくてもいいのではないか、こう考えております。またさらに西谷議員からは、企画部内に新たな文化担当セクションを設けるべきである、こういう御提案であります。これまでは、知事部局──企画部でありますが、教育委員会──担当は文化課でありますが、それぞれ連携しながら文化施策への対応を行ってきていることは御承知のとおりであります。全国的に見ましても、知事部局で生活文化、地域文化に取り組んでいる事例も数多く見られるわけでありまして、こういったことについては大いに参考にしながら見ていきたいと思っているところであります。さらにまた、生活文化、地域文化等の分野へのニーズの広がりに的確に対処するためにも西谷議員が言われた御提言については具体的な検討課題として取り組んでいきたいと思っております。以上であります。 31 ◯副議長(清藤六郎君) 教育委員長。 32 ◯教育委員長(河村忠夫君) 西谷議員から、人づくりについて、特に小中学校における人づくりについて問いたいということでございました。先ほど来の西谷議員の教育に関する、あるいは文化に対する姿勢に対して心から敬意を表するものでございます。諸先生方が御質問の冒頭で絶えず言っておられることは、時代は今非常に激動、あるいは多極面、複合的要素から社会変化が起きておる、その時代に対してどう対応していくのかという前提がもとになっておりまして、教育でもまた大事な柱は、先の時代を読みその時代に生活できる、活躍できる人間を育成することが非常に大事な一面かと、このように考えておるわけであります。その観点から考えましても、今日の社会変化は著しく、また今後ますます加速されていくことが予想されます。このような状況において、二十一世紀を担う子供たちが、健康で創造力に富み、豊かな心と広い視野を持った人間として成長していくことを県民の一人としても切に願うものであります。とりわけ、望ましい人間形成を図る上で小中学校における教育が極めて重要であると日ごろから考えております。このため学校においては、生涯学習の基礎を培う観点から子供の発達段階に応じて、豊かな心を持ちたくましく生きる人間の育成や、社会の変化に主体的に対応できる能力を育成するとともに、基礎、基本を重視しながら個性を生かす教育を充実する必要があると思います。そのためには、日々子供たちに接し教育を行っている教員の指導力の向上が不可欠であり、教員の資質向上のための研修等の充実を一層図っていくことが大切であると思います。また、子供は学校だけで育つのではなく、家庭での教育や地域における自然との触れ合いや、年齢差のある仲間との交流など豊富な体験を通してたくましく育つものであり、この観点からもボランティア活動等学校外活動を充実することも大切であります。今日、教育においての課題は多岐にわたっておりますが、本県教育の一層の発展に向けて微力ながら全力を傾注してまいりたいと考えております。 33 ◯副議長(清藤六郎君) 教育長。 34 ◯教育長(佐々木 透君) 西谷議員から県民文化祭について辛い点をいただきましたが、教育委員会としての総括を申し上げてみたいと思います。県民文化祭は、県民の芸術文化活動の発表の場及び鑑賞機会を提供し、本県の芸術文化の創造と一層の発展を目指す県民参加の総合的、自主的な芸術文化の祭典として位置づけ、平成三年から実施してきたものでございます。総合開会式につきましては、単に各分野を寄せ集めて発表することなく、それぞれの開催市の特色ある分野を中心として総合舞台芸術を新たに創出し発表するなど各分野間の交流が図られました。また分野別フェスティバルにつきましては、第一回の十一団体から第三回には十三団体と増加してきております。これは、今まで県レベルの組織を持たなかった分野が県民文化祭を契機として自主的に県域の団体をつくり参加したものでございます。さらに、今年度新たに県域の団体を結成し来年度から参加を計画している分野もございます。そのほかには、総合開会式及び分野別フェスティバルを文化団体が自主的に企画、運営することにより人材の養成にも貢献したと思っております。このように、全体的にはまだ不十分な面も多々ありますけれども、本文化祭を契機として各団体における活動がより活性化されてきつつあると評価をしているところでございます。  それから、この文化祭が県内を一巡したことに伴い、第四回のあり方につきましては、一つは、総合開会式を総合フェスティバルと改称し、単なる開会行事でなく総合舞台芸術の公演であることを広く県民にPRしたいと思います。二つは、シンポジウムを総合フェスティバルの開催市と重ならないようにしたいと考えております。三つは、分野別フェスティバルにつきましても開催市町村をできるだけ分散するようにするなどの見直しを行っているところでございます。  今後の取り組みでありますけれども、県民文化祭が県内を一巡したことに伴い昨年度末に第四回以降のあり方について見直しを行うとともに、八市の教育委員会、八市の文化団体、十五の県域の文化団体に集まってもらい検討を行いました。その内容は、一つは総合フェスティバルの開催市を、三市だけでなく、地域の個性豊かな文化の創造に寄与するため他の市でも開催すること、二つは、シンポジウムにつきましても総合フェスティバルの開催地と重ならないようにすること、三つは、分野別フェスティバルにつきましては開催市町村をできるだけ分散すること、四つ、未参加団体や県域団体が未組織な分野につきましては今後参加を働きかけるとともに、県域団体の組織化を図るよう働きかけます。五つは、地域や分野を超えた文化交流を実現するための方策を検討する、六つは、事務局につきましては現在文化課にあるわけですが、文化団体等の関係者によって自主的に運営できるよう将来適切な組織に移管することを検討する、となっており、できるものから順次実施していきたいと考えておるところであります。決して自画自賛して申し上げているものではございませんことを御承知おき願いたいと思います。  それから教育問題でございますけれども、生活科の実施状況でございます。生活科は、学習指導要領の改定に伴い平成四年度から、小学校の低学年のそれまでの社会科、理科にかわって新設された教科でございます。この教科のねらいは、子供たちの生活に即したさまざまな体験を通して身の回りの社会や自然を理解する目を育て、生活上必要な習慣や技能を身につけさせることであり、子供たちの自立への基礎を養い、小学校中学年からの社会科、理科の学習へつなげる上で重要なものと考えております。各学校では地域や子供たちの実態に即した指導計画に基づいて授業が進められており、この教科を通して身近な動植物に親しみを持ったり、地域の行事などに関心が高まるなど好ましい変化が見られ、教科の趣旨に沿った実施がなされてきていますが、新設間もない教科であることからなお一層の充実を図っていく必要があると考えます。このため県教育委員会では、生活科教育講座、初任者に対する生活科研修、及び生活科推進校の公開発表会などを実施するなど教員の指導力の向上に努めてきており、今後とも一層の充実を図ってまいりたいと考えております。  学校不適応問題でございますが、児童生徒の登校拒否等に見られる学校不適応問題への対応につきましては、教育上の重要な課題の一つとしてとらえ、平成二年度から学校不適応対策事業を実施しその対応に取り組んでいるところでございます。具体的には、教育相談講座や学校不適応対策講座などによる教員研修、「こころの教育相談センター」におきます適応指導、相談機関相互の連携強化を図るための登校拒否関係機関連絡会議、地域の相談活動を充実するための巡回教育相談等の実施を進めてきており、今後ともその充実に努めてまいりたいと考えます。養護教諭の複数配置につきましては、国の第六次義務教育諸学校数職員配置改善計画というものがございまして、三十学級以上の大規模校に対して配置できるようになったわけでございますけれども、本県にはこれに該当する大規模校がない状況にあります。このため、養護教諭の複数配置についての改善を一層推進するように全国の教育委員長・教育長協議会を通して国に要望しているところであります。今後とも継続的に働きかけてまいりたいと考えます。  最後ですが、私立専修・各種学校への助成についてでございます。昭和五十年度から、修業年限、年間授業時数、収容定員等が一定水準以上の学校に対して県単独事業として実施し、過去五年の平均では五・八%の伸び率を示しております。ということで年々増額に努めておりまして、平成六年度の予算におきましては、生徒一人当たり、学校法人立で一万八千七百九十円、法人立以外では八千四百九十七円となっております。平成五年度の本県における学校法人立の専修学校の補助単価は全国で十八位、各種学校は六位でありまして比較的上位にあると思っております。今後とも、私立専修・各種学校の教育条件の維持向上等を図るために経常費補助金の充実に努めてまいりたいと思っております。 35 ◯副議長(清藤六郎君) 西谷君。 36 ◯四番(西谷 洌君) 御提案に対しまして知事から大変前向きな御答弁をいただきまして本当にありがとうございます。二、三要望を申し上げたいと思います。  最初に県民文化祭。まあ多少辛口だということでございますけども、逆にそれが現実だとも私の方からは言いたいわけでございまして、総合フェスティバルの開会式には知事さん、教育長さんは多分御出席してるんでしょうけども分野別のフェスティバルにはどうかなと。まあ別に回答していただかなくても結構なんですが、その辺の現実をどこまで承知しているかということは私から言わせても甚だ疑問に思います。知事さんから文化行政に対するソフトのかかわりの部分ということのお話がありましたけども、例えば今回から総合開会式を総合フェスティバルに変えたということであるんであれば、総合フェスティバルの総合した演出を、著名な演出家といいますか、最近では若手で有望なのに宮本亜門というのがいますけども、そういう人に依頼して総合フェスティバルそのものを演出してもらう、そういうことによってそこにかかわっている人が彼の感性なり手法なりを学び取るというふうなかかわり方、そういう行政の支援の仕方というのがあるんじゃないかと思うんですよ。そしてまた分野別であっても、例えば合唱にしろオペラにしろ、それから演劇にしろ、確かにみんな一生懸命手づくりでやっています。そういう中だけでレベルアップにつながるのかということに私は疑問を述べているんで、それを県でやるんであれば、県の助成で例えば一流の指導者をお招きしてその結果を発表するとか、何かそういうふうな支援の仕方が行政に求められているんではないのかなというふうな気がしてなりません。それから、何年か前に二期会のオペラを青森に呼びました。二千万ぐらいかかったというふうに、そういういいものを呼ぶと非常にお金がかかります。そういう意味ではそれに全部県で助成しろということにはいかないかと思いますけども、でも、少なくともそういう機会を──東京に行く時間的な短縮が出たために東京でそういうものを鑑賞する機会も確かにありますけども、やはり、青森にいながらそれができるというふうなことにもぜひ行政で支援していただきたいなというのが私の要望でございます。  それから生活科の問題。まず、理科と社会科の合科で生活科ができたという教育長の認識自体が少しおかしいんじゃないかと思います。これは生活科という全く新しい教科だという認識をしなきゃいけないし、そういう意味では、きのう須藤先生がおっしゃっていましたように、単なる文部省からのトップダウンでもって、こういうふうに変わったからこういうふうにしろ、そして、文部省で発行している指導要綱とにらめっこしながら現場の先生が対応してるというふうなことであるんであれば非常に問題があるのかなというふうに思います。先ほど話がありましたように多分県の教育センターでいろんなセミナー等を行ってるんでしょうけども、私は数字はわかりませんけども、県内の小学校の一年生、二年生の担任の先生というのは相当数いるはずです。その相当数全部にそこの場所で研修を受けさせるにいいかというと物理的には多分難しいだろうし、そういう意味では、研修を受けない先生方がどういうふうな形でそれに対応してるのかなというふうなことが気がかりなわけでございます。それともう一つは、文部省からの指導要綱を,そのまま教えるということの教科ではないはずですね。例えば算数とか国語とかというふうなものを指導するのとこの生活料というのは違うと思うんですよ。もっと人間的な、基本的なものを身につけるという教えですし、体験を通して教えるということですからそこに相当な工夫がなきゃいけないと思いますし、教える先生の、人間のセンスというか大きさといいますか、そういうふうなものに相当影響されると思います。そういう意味では、一つ私の御提案なんですけども、まず、校長先生とか教頭先生という管理者の立場の先生方にもっともっと御理解をしていただくということと、校長先生たちも含めた、青森方式といいますか、こういう分野こそ決まり切ったことを教える必要はないわけですから、河村教育委員長が提案したように地方から日本を変えるぐらいのそういう発想でこの生活科というものの青森方式を確立して、青森の人の育て方の原点みたいなものを確立して日本を変えるぐらいの人材を輩出するというぐらいの意気込みで取り組んでもらってもいいんじゃないかというふうにも思いますので、教育委員長、ひとつよろしく御指導いただきたいと思います。  それから最後に不適応の問題なんですけども、これも御提案したいと思います。第六次の文部省の配置計画によって三十学級以上でないと養護教諭の複数配置ができないということが決められているというんであれば、県単独の事業として何かかにかやっていただきたいというふうに思いますけども、そのときに、保健室というのはそれなりの業務があるんで、登校拒否の子供の多い問題の多い学校に、例えば保健室とは別にカウンセリングルーム──まあこの辺は、隣の康安先生はドクターですが、だれでもやればいいというもんでもなくて専門の知識が必要かもしれません。でも、現場で今すぐ対応しなきゃいけないという現実があるわけですので、カウンセリングルームみたいなものを設けて、退職した校長先生、あるいは退職した生徒指導のOBといいますか、そういう人たちを採用して、現場でその子供たちの心の病といいますか相談を受けるような、そういうカウンセリングシステムを考えてもいいんじゃないかと思う。これはそう大して金のかかることではないし、県内の小中学校みんながみんな登校拒否の子供が多くて困ってるわけではないと思うんで、そういうところに重点的に──退職した校長先生にはぶらぶらしてる人が意外と多いんです、何も仕事につかなくて。それでいて今の教育現場を非常に憂えている人が多いわけでございますから、そういう先生方にお願いしてそういう問題の学校に採用して、常時子供たちのそういう相談を受けられるようなことを考えたっていいと思うんですよね。それが青森方式であって、学校保健法でそれはだめだとか文部省の定数に触れるとか、そういうことで考える必要はないと思うんです。そういうことでぜひ柔軟な対応をしていただきたいというふうに要望して終わります。 37 ◯副議長(清藤六郎君) 二十六番上野正蔵君の登壇を許可いたします。──上野君。  〔二十六番(上野正蔵君)登壇〕 38 ◯二十六番(上野正蔵君) 自由民主党の上野正蔵でございます。通告に従いまして一般質問を行います。  一般質問に先立ち、先般の大雨災害及び台風二十六号により被災された県民の皆さんに心からお見舞い申し上げる次第であります。特に、台風二十六号によって収穫を目前にして被害を受けられたリンゴ農家の皆さんに対しては──県当局の迅速な防災対策によりまして被害が最小限に食いとめられたものであって、改めて関係者各位の努力に敬意を表する次第であります。  さて、ことしの夏は本当に暑さが厳しい夏でありました。ようやく秋めいてまいりましたが、この暑い夏は県内経済の活性化に大いに貢献したようであります。特に農家の方々にとりましては、昨年の歴史的な大冷害から一転して豊作が確実視され喜ばしい状況にあるだけに、実りの時期を迎えて農作業にも一段と力が込もっていることと思い、また、その県民の久しぶりの笑顔にこれまでの暑さを忘れさせるようなしみじみとしたうれしさが込み上げてくるのであります。また、ことしはもう一つ全国を沸かせたホットな出来事がありました。三内丸山遺跡であります。今議会でも各議員からいろいろと御質問があったわけでありますが、同遺跡は、これまでの縄文時代の定説やイメージを翻すような、農耕、定住の可能性を連想させる出土品や当時の衣食住の状況を示すさまざまな出土品が相次ぐなど、調査の進展につれ超一級の,貴重な遺跡であるとの評価が定着しつつあり、全国的にも注目を集めております。この遺跡が国内最大級の遺跡とのニュースが流れた途端、知事の敏速な対応によって野球場の建設が中止され、発掘、保存を進めることが決定されたのであります。既に野球場施設の一部が立ち上がっていた状況や本県の財政事情を考えるとまさに大英断であったと思うのであります。本定例会での質疑応答の中でも伺っておりますが、隣接する県営サッカー場予定地にも同様に大規模な遺跡が包含されているようでありますので、野球場同様適切な措置をとられるよう強く希望いたすものであります。今後は、この三内丸山遺跡を初め、八戸の是川、それから亀ヶ岡等の本県に存在する貴重な縄文遺跡を本当の宝物として磨き上げていくことが必要であり、その活用方法について青森県らしい創意工夫を凝らし、本県の歴史文化のみならず産業振興の起爆剤ともなるような活用を期待するものであります。  さて、最近における県民の最も大きな関心の一つは来年二月に予定されている知事選挙であります。北村知事は去る六月に開催された県議会第百九十八回定例会において五選出馬の意思を表明されたのであります。常々、百四十八万県民の幸せを第一に考え、県勢の伸展を願う誠実な姿勢とひたむきな情熱には敬意を表しているわけでありますが、今のこの国内外混迷の時代に本県の将来を安心して託せるのは北村知事をおいてほかにないと確信するものであります。昭和五十四年に知事が初当選されて以来今日までの四期にわたる主な業績を振り返ってみたいのであります──簡単に振り返ってみます。県政全般にわたり著しい進展が今日までの四期の間に見られたことは事実であります。まず交通関係についてでありますが、東北新幹線盛岡-青森間については、御承知のとおり、難工事部分着工として既にフル規格トンネル工事がもう六〇%以上も進んでいるわけであります。その事業が進められていると同時に、知事を先頭とした粘り強い働きかけ等によって全線フル規格への動きが加速されつつあるわけであります。また、道路関係については、東北縦貫自動車道弘前線を初め八戸線、そしてまた首都圏との時間距離が格段に短縮された現在でありますが、さらには八戸-久慈自動車道、津軽自動車道等も既に事業着手され、高速自動車道路網の整備が着々と進んでおります。県内各地域から高速自動車道インターチェンジに一時間以内にアクセスするための道路整備も進められてきているわけであります。航空関係について見るならば、新青森空港の建設と三沢空港の整備が行われてきました。全国にも数少ない一県二ジェット空港体制が確立されました。同時に、青森-東京線、三沢-東京線の増便、青森-名古屋線、三沢-大阪線の新規開設、青森-東京線のダブルトラッキング化など両空港の機能強化とツイン体制によって多くの恩恵を受けてきたところであります。また、来年四月には青森-ソウル・青森-ハバロフスク間の二つの国際定期航空路の開設が決定しているわけであります。今後高速道路網の整備が促進されることによってツイン航空体制のもたらす効果はより大きなものになると思うのであります。また、次に農業の振興についてでありますが、県は国の新農政プランに先駆けて、産地間競争に打ちかてる体質の強い青森型農業の展開を図るため「青森県農業の推進方向」を策定するとともに、昨年末のガット・ウルグアイ・ラウンドの農業合意に基づく農産物の輸入自由化に対応するためいち早く「青森県農業の推進方向」を一部見直し、本年二月に魅力ある農業実践プランを策定し具体的な施策展開に取り組んでいるわけであります。このほか、新技術・新商品開発、人材育成等を進めるため農産物加工センター、青森グリーンバイオセンター、花卉振興センター、営農大学校の試験研究機能の整備充実を進めるなど、農業環境にとって多難な時代にあって将来を切り開く農政の推進に努めてこられたところであります。工業振興についてもかなりの実績が上がっているわけであります。八戸新産都市を含め、むつ小川原開発、テクノポリス、八戸地域集積促進計画等の大規模な工業開発プロジェクトがそれぞれ着実な進展を見ております。個別的にはあえて説明申し上げませんが、知事が標榜する産業構造の高度化に大きな役割を果たしていることも事実であります。また、誘致企業については、昭和五十四年以降の実績で二百三十四件を数えており、このほか市町村単位での誘致企業を加えると三百を超える多くの企業が立地し、雇用を中心に多大の貢献をしておったのであります。さらに、中小企業対策として、高度化事業等の積極的な推進を図る一方、技術交流プラザの開設、青森県産業技術開発センターの建設等々、新技術や市場開拓等の新たな取り組みに対する支援にも積極的な対応をしてこられたのであります。教育、文化については、もうわかってるとおり、総合社会教育センターを初め、図書館の問題、さらには総合芸術パーク構想の推進等々、二〇〇二年ワールドカップサッカーの国内開催地への立候補などの大きなプロジェクトに意欲的に取り組み、県内の教育、文化の向上に積極的に努めてこられたところであります。社会福祉の面で見た場合、県立の多くの施設を充実してまいりました。本県を全国有数の福祉県に引き上げると同時に、来るべき高齢化社会に向け県老人保健福祉計画を策定されるなど万全の対応を図ってこられたところであります。国際交流関係では、御承知のとおり、ロシア連邦ハバロフスク地方及び米国メーン州との友好協定の締結がなされたわけでありまして、技術、経済等の多方面にわたる交流が進められようとしております。さらには、Uターンの促進やイメージアップ等の人口定住対策、流雪溝整備等の雪対策、さらには白神山地の世界遺産登録等々たくさんの輝かしい実績を残されているわけであります。県が直接かかわったこれらの事業以外にも実は忘れてならないものがあるわけであります。それは、市町村の単独事業として市町村の実績に数えられている事業等であります。例えば、先般私どもが見学してまいりました相馬村の「星と森のロマントピア」とか、板柳町のふるさとセンターとか、そして鰺ヶ沢を含めた津軽岩木リゾート、そしてまた先般落成いたしました五所川原市のふるさと交流圏民センター、そして、七日に式典が行われる田子町のケーブルテレビの開局とタプコピアンプラザの開設、さらには農業気象観測ロボット予報システムができたということ、このような立派な内容に驚かされるわけでありますが、これらは、地元市町村の努力や熱意はもちろんのことでありますが、県の支援、協力もまた忘れることができないと思うのであります。この辺にも知事の県土の均衡ある発展に対するきめ細かな配慮があるような気がしてならないのであります。  さて、これらの実績は実績として、昨今の県政をめぐる情勢から生ずる新たな課題もまた少なくないと思うのであります。その第一は、国際化の一層の進展と本県産業への影響についてであります。ベルリンの壁の崩壊に象徴される東西の緊張緩和、民主化の動きから、産業、経済、文化、情報などあらゆる分野でグローバル化、ボーダーレス化が進んでおり、国際社会とのつながりが一層強まるとともに非常に大事になってまいったのであります。本県産業との具体的なかかわりで申し上げれば、米、リンゴ、牛肉等の輸入自由化問題があります。ガットの加盟国として自由な国際貿易の発展を目指す以上、今後とも、農産物に限らず市場開放要求は一層強まってくると考えざるを得ないのであります。農業や漁業を主力産業とする本県にとっては極めて大きな課題であり、国との連携をさらに強化し、本県の農業を守るために思い切った対策を講ずる必要があるわけであります。また、本県の第二次産業振興に寄与してきた企業誘致についても環境が大きく変化しております。経済のグローバル化や大幅な貿易黒字に対する海外からの圧力、円高基調の定着等から労働集約型企業を中心として海外進出が進み産業の空洞化が顕著になりつつあります。もはや従来型の企業誘致戦略では実効を期しがたい厳しい状況にあると考えられるのでありますが、現在新たな企業誘致戦略が課題となっていることも忘れてはならないのであります。第二は高齢化の進展であります。二十一世紀初頭には六十五歳以上の老齢人口比率が二〇%を超えるなど我が国全体として急速なテンポで高齢化社会を迎え、福祉・医療対策や生きがい対策等にかかわる行政ニーズが増大すると見込まれておりますが、本県の場合は若年層の県外流出によってさらにそのスピードに拍車がかかっております。これはサービスと負担の問題だけではなく、就業構造上も、労働力人口の減少、高齢化や女性労働者、そして外国人労働者の増加等の影響があるほか、地域コミュニティー活動等の社会機能の低下にも影響を与えることが懸念され、総合的な対策を急ぐ必要があると考えるのであります。第三は、人々の意識の変化、価値観の多様化についてであります。成熟社会を迎え、生活水準の向上などから人々の意識、価値観は、いわゆる物の豊かさから心の豊かさを重視する方向へシフトするとともに多様化してきております。自由時間や地域社会をより大事にしたいという意識が強まり、ボランティア活動、芸術文化活動、スポーツ・レクリエーション活動等の多様な分野に価値を見出す人々が増加しており、行政としてどのような対応をするかが大きな課題となりつつあるわけであります。第四は地方分権であります。東京への一極集中による弊害を排除し国土の均衡ある発展を図るとともに、豊かさが実感できる社会を実現していくためには、住民に身近な地方公共団体がより主体性を発揮して施策展開ができるそんな仕組みに変えていく必要があるわけであります。一般的に行政は、ともすれば縦割りで、全国画一的になりがちな国の事業を基本に県政を推進しているように思えるのであります。そして、そのような施策は必ずしも地域の実態にマッチしないことがあり、特に、緊急的な対応を迫られた際にはタイミングを失うことも多いと思うのであります。本県においても、県民の中には、県政のほとんどが県下一律で、各地域ごとの個性が余り見られない、見られたとしてもせいぜい青森、八戸、弘前の三市を中心としたいわば三極集中的なものではないのかと言う県民もいるわけであります。私は、これに他の五市及び周辺町村も加え、さらに細分化した圏域ごとに特徴ある行政目標を掲げ、県民の声なき声をさらに吸い上げるような、そして県民の叫びも吸い上げるような、住民参加型で、住民ニーズが迅速かつ直接行政に反映されるような体制にすべきだ、こう思うのであります。このような体制に基づいて県及び地域の実情に即した行政を行うことにより、より実効のある地方自治が期待できると信じるものであります。最後に、県民悲願の高速交通体系、特に東北新幹線盛岡-青森間のフル規格による早期完成は不可欠であり、そして重要な課題でもあるわけであります。何としても現政権下の中で財源問題にめどをつけて一歩も二歩も前進させる必要がありますが、その意味においては、北村知事の豊富な経験と、全国知事会の副会長、そして北海道東北自治協議会の会長としての立場は大きな力となり得るものであり、余人をもってかえがたいのであります。以上、これまで四期にわたる北村知事の主な実績と、最近の県政をめぐる情勢変化等について私見を述べさせていただいたわけであります。そこで、北村知事は五選出馬に当たって、昨今の県政をめぐる新たな課題等を踏まえ二十一世紀へ向けての県政のビジョンを、一つはゆとりの暮らしの実現、二番目は安定性ある産業づくり、開け行く青森の建設、二十一世紀を担う人づくり、この項目を柱に考えておられるようでありますが、各項目ごとの具体的内容をどのように描いておられるのかについてもあわせてお伺いして一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 39 ◯副議長(清藤六郎君) 知事。 40 ◯知事(北村正哉君) 上野正蔵議員にお答えをいたします。いろいろと私の歩んできた道についての御批判というか、評価をいただいたわけであります。ありがとうございました。また、ただいまは、県政のビジョンを問うという御質問であります。いろいろと承りながら来たわけでありますが、どうやら上野議員御自身がその答えを出してくだすっているようにも受け取れるわけでありますし、また、ビジョンといってもたった一口じゃどうにもならないんで、申し上げるためには多少の時間がかかる、してみれば、どういうふうにこれを詰めればいいかなと思ったりしましたが、たった一つの御質問でありますから、過般木下議員にもお答えしたところでありますが、取り急いで大体の姿をお答え申し上げることにいたします。県政を取り巻く情勢は、議員おっしゃるようにいろいろと変化が大きい、しかもスピードが速い、これは感じているところであります。私はこれらの情勢変化に的確に対応するために、今既にお話もしていただいた、ゆとりのある暮らしの実現、安定性のある産業づくり、開け行く青森の建設、二十一世紀を担う人づくりの四つの基本的方向を中心とした二十一世紀対策、二十一世紀への県政ビジョンを考えているわけであります。特に上野議員から御指摘のありました新たな課題にかかわる事項を中心に申し上げたいと思いますが、まず第一点は、安定性のある産業づくりに関して今後の農業の展開について申し上げるわけでありますが、ガット・ウルグアイ・ラウンドの合意による国際化の一層の進展、農業を取り巻く環境が厳しさを加えるわけでありますが、その国内対策をどうするか、本県の農業におきましては特に稲作などの土地利用型部門の生産性を高めることが急務かと存じます。一方、野菜、花卉などのように産地拡大の大きなチャンスを迎えてる部門も見られる、こういったことのために、本年二月には、これも全部お話にあったんでありますが、「青森県農業の推進方向・魅力ある農業実践プラン」といったものを基本として、この環境変化に対応できるような、すぐれた経営能力を持つ担い手を育成確保しながら、各地域の立地特性や労働力事情等を踏まえた経営改善を進め体質の強い魅力的な農業の展開を図っていく、同時に、若者が定住できるような活力ある農村づくりに向けて大きな努力を払ってまいりたい、こう考えます。次に新たな企業誘致戦略につきましては、円高、海外市場の拡大等に伴い特にアジア諸国への企業進出が進んでいるわけでありまして、国内産業の空洞化が懸念されているところであります。この結果、企業誘致をめぐってアジア地域と国内地域が競争関係に立つ状況が生じております。労働集約型工場は国外へ移転する例が多くなってきている、このために今後の企業誘致に際しましては、将来においても国内において立地展開が見込まれる研究開発型の企業、付加価値生産性の高い加工組み立て型企業や、新規・成長市場として有望な情報、通信等の分野にわたる企業をターゲットとした企業誘致戦略を展開してまいりたい。また、将来性のある環境、医療、福祉、生活文化、余暇などの分野に取り組む地元中小企業等の起案化を支援していく施策につきましては一層強力に進めたい。第二にゆとりのある暮らしの実現ということを申し上げてるんでありますが、これにつきましては、高齢化の進展に応じた地域社会づくりについて、今後急速に進展する高齢化社会に対応していくために平成二年二月に青森県高齢化社会対策大綱を策定し総合的な施策を実施してまいりました。主なる施策については議員から既に御紹介があったところであります。あったところでありますが、老人福祉等については、特別養護老人ホーム六十五歳以上の高齢者人口の対比において全国で今整備率が四番目であります。先日私は、現在特養は六十と申し上げたんでありますが、正確には六十からちょっと切れてるようであります。そういうことやら、ホームヘルパー、デイサービス、ショートステイ、こういった面からしても他県には劣らない、優位にあるわけで、この点を踏まえれば今後高齢者福祉モデル県といったものが考えられる、そのつもりで進めばできないことはないという感じがこの高齢福祉の点では考えられます。努力をしてまいりたいと思っているところであります。次に、青森文化の再評価と創造による心豊かな地域社会づくりにつきましては、近ごろ、物の豊かさから心の豊かさへの価値観の変化に伴いまして、ゆとりある暮らしを実現するために多様な芸術文化に触れる──先ほど西谷議員からもお話があったんでありますが、文化の創造に対する欲求が高まっているわけであります。特に最近は、縄文時代最大の集落であるとみなされる三内丸山遺跡発掘等から縄文文化に関する関心が高まってきているわけでありますし、これまでの発掘調査、研究によると、本県の縄文人は想像以上に経済的に富んでいて高い生活水準にあったことが判明しているわけであります。三内丸山遺跡は学術・文化的価値にとどまることなく、郷土に対する我々県民の誇りを醸成するとともに本県のイメージアップにもつながる、こういう考え方であります。今後これの保存に努めるし、同時にまた「青森いにしえ文化ロード」の整備も図っていきたい。文化で先ほど西谷議員にもお答えしようと思って忘れたんでありますが、文化的な国土の均衡ある姿を求めたい、これだけ申し上げて御理解いただけるでしょうか。文化的に国土の均衡ある発展を求めたい。その具体的な考え方として、この場所ではもちろんまだ申し上げてはおりませんが、全国知事会に働きかけをして、知事会で基金をつくって、オペラなりオーケストラなり歌舞伎なり、いろいろ文化的な催しがあるわけでありますが、いろんな県が組んでこれを招致して、各地を──青森であれば八戸、青森、弘前、それが秋田へも行ってぐるっと回る巡回公演、これを各県の寄り合った基金を土台にして実現をしてみたい、こういうことで知事会の事務局には強く働きかけもし、そのつもりにだんだんなりつつあるわけであります。これを最後まででかしたいもんだと思っております。これをやれば文化的に国土全体が──余り東京ばかり眺めていなくてもこっちでも東京並みのことが見れる、聞ける、こういう事情になろうかと思います。そんな考え方も持ってるということで、これは、西谷議員と申し上げたんでありますが上野正蔵議員に対するお答えであります。同時に西谷議員にもお聞き願いたいということであります。  それから、国土軸の問題は、これはもう申し上げなくとも、二十一世紀構想、東北六県の知事が中心になって、経済団体も加えて二十一世紀に向けて新しい構想を打ち出そうと、「ほくとう銀河プラン」、もう全部の議員が御承知のとおりであります。その中で「ほくとう国土軸」──けさほども実は商工会議所青年部がここまで訪問しておりましたが、国土軸を形成していきたい、それを促進していきたい、こういう考え方があるわけであります。大分時間がたちましたから急ぎますが、そのためにも私は、やっぱり、空港の整備も必要だし、それにも増して当面は盛岡以北の新幹線を青森までとりあえず、さらに函館、札幌まで延ばすということが国土軸形成の上にも非常に大事なことだ、そういうつもりでこの問題に対処したいと思っております。二十一世紀に向けての人づくり、まあいろいろありますが、先ほど来教育問題がやりとりされたわけでありまして、今の御議論も参考にしながら人づくりに向けての対策も一層強めてまいりたいし、今また具体的に考えてるのは、二十一世紀対策委員会──仮称であります。また別の名前がついてくるかもしれませんが、二十一世紀対策委員会を余り遠くない時期に組織をして将来に向けての考え方を取りまとめていきたい、こう思っているところであります。  以上であります。取り急いでどうも、おわかりいただけない節もあったかと思いますが、御了承をいただきたいと思います。 41 ◯副議長(清藤六郎君) 上野君。
    42 ◯二十六番(上野正蔵君) どうも御答弁ありがとうございました。二十一世紀に向かった新ビジョンということで知事さんが延々とお話しするとすれば時間は多分三時間か四時間かかるだろう、こう覚悟しておったわけでありますが、その意味をわかっておるわけでありますから、答弁は答弁として承るわけであります。ただ一言申し上げたいことは、先ほども私が私見の中で言ったとおり、すべてビジョンはこれから長期的にそれに向かっていかなければならないわけでありますけれども、ややもすると、その長期的なビジョン、長期計画の中で、必要な県民の声に即応できなかった例も多々あるわけであります。これからの行政の中で一番大事なことは、やはり、例がない、規則がない、制度がないということで、ややもするとそれらに県民が政治不信を持っており、これは青森県民ばかりでなく国民がすべてそういう考え方を持ってると私は思っているわけであります。であればあるほど、新しい二十一世紀のビジョンそのものに向かって進めるその過程の中で、やはり、声なき声じゃなくて、現実に県民の叫びを即取り入れていくという新たな行政が要求されるわけでありますから、それらも踏まえてこれからの伸展のために努力していただきたい、こう思うわけであります。  高速交通体系一つ見れば、何かいつも新幹線を思い出すんですが、北村知事さんは新幹線男かと言われているわけでありますけれども、でも現実に新幹線も、トンネル工事がどんどん、もう六十数%も進んでる現状を私も見ておりますから、だんだん近くなってることだけは間違いない。高速交通体系でちょっと思い出したのは、今からちょうど十年前、古瀬兵次さんが交通特別委員長をやっているときに、一生に一度リニアモーターカーへ乗りたいということで、その当時、昭和六十年の一月二十五日でしたか、おまえついてこないかということで、当時は国鉄では、今は民営化されたからあえて申し上げますけれども、ないしょということで古瀬兵次先生と二人でリニアモーターカーに試乗させていただいたわけであります。あれが二十一世紀の乗り物だということですごく感動を受けたわけでありますが、東海道新幹線が通ってからもう四十年で、先般四十周年を記念された。そのときに我々がまだ来ないかまだ来ないかと首を長くしているこの気持ちをやはり国にもぶっつけ、早くこれが解決されんことを心から祈念したいと思っているわけであります。  幸い、丸山遺跡、これは日本の歴史を大きく変えようとした、そして我々県民に対して大きな夢と希望を与えてくれたもの、こう私は理解しているわけであります。過去に白河以北一山百文と言われ、東北・青森、北海道は何でもおくれた地域と言われて、県民そのものもそういう意識を持って、目に見えない潜在的な萎縮を持った、後進県性を持った県民が多かった、私はこう思っているわけであります。何かすると青森県の県民性は、人が乗ろうとするときには乗らない、通り過ぎてから乗りたかったと後を追っかけてみる。これはどうするかというと、もっと考えてみよう、他県の様子を見てから、こういうのが何十年来続いたかということ。今こそこれを見直していかなければならぬ。今の二十一世紀のビジョンに合わせていくためには、やはり、知事、そして県庁の職員の皆さんもそういう方向づけでこれからの行政に向かって、県民の幸せを真に考えて進んでいただきますように心から御要望申し上げ、以上で終わります。ありがとうございました。 43 ◯副議長(清藤六郎君) 以上をもって本日の議事は終了いたしました。明日は午前十時三十分より本会議を開き、一般質問を継続いたします。本日はこれをもって散会いたします。 午後二時五十八分散会 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...